28日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は反落、米中会談の結果見通せず目先の利益確保・ドル・円はじり安、日本株の下げ幅拡大で・値下がり寄与トップは、ダイキン工業 (T:6367)、同2位はソフトバンクグループ (T:9984)■日経平均は反落、米中会談の結果見通せず目先の利益確保日経平均は反落。
117.65円安の21220.52円(出来高概算4億9000万株)で前場の取引を終えている。
27日の米株式市場でNYダウは10ドル安と小幅に3日続落した。
「米中は貿易戦争の暫定的な停戦で合意した」との報道を受け、両国の摩擦緩和への期待から買いが先行。
しかし、中国が通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)への制裁解除などを要求しているとも報じられ、週末の首脳会談の結果を見極めたいとの思惑から伸び悩んだ。
主力機「737MAX」に新たな不具合が見つかったボーイングの大幅下落もNYダウを下押しした。
前日に250円超上昇した日経平均だが、本日は米国株の伸び悩みを背景に利益確定の売りが先行して55円安からスタート。
寄り付き後も重要イベントを控え薄商いのなか、売りに押されじりじりと下げ幅を広げる展開となった。
東証1部の値下がり銘柄は全体の6割ほど、対して値上がり銘柄は3割強となっている。
個別では、ZOZO (T:3092)が2%超下落したほか、ソフトバンクG (T:9984)、JT (T:2914)、村田製 (T:6981)などが軟調。
ソニー (T:6758)やトヨタ自 (T:7203)は小安い。
前期業績を下方修正したアスクル (T:2678)、第3四半期の業績観測が報じられたビックカメラ (T:3048)などは下げが目立つ。
また、セレス (T:3696)はビットコイン価格の急反落で売りがかさみ、東証1部下落率上位に顔を出した。
一方、任天堂 (T:7974)やファーストリテ (T:9983)は小幅に上昇。
レーティング引き上げ観測のNEC (T:6701)や自社株買い実施を発表したエディオン (T:2730)は大きく買われた。
また、前期業績の上方修正と増配を発表したハニーズHD (T:2792)が急伸し、東証1部上昇率上位に顔を出した。
セクターでは、石油・石炭製品、鉱業、証券などが下落率上位。
反面、保険業、医薬品、水産・農林業など5業種が上昇した。
日経平均は3ケタの下落で前場を折り返している。
前日は「米中が貿易戦争の暫定的な停戦で合意した」との海外メディアの報道を受け、摩擦緩和への期待から250円超上昇していた。
しかし、中国側が米国による制裁の解除などを要求していると報じられたほか、米国側からも新たな対中関税が発動されるかは首脳会談の結果次第といった当局者の発言が伝わっている。
本日から20カ国・地域(G20)首脳会議が大阪で始まる。
注目の米中首脳会談で何らかの合意が得られるか、あるいは物別れに終わるかはなお見通せず、目先の利益を確保する売りが出やすいところだろう。
会談を挟んだポジションの持ち越しは手控えられそうだ。
前場の東証1部売買代金は概算で8400億円程度にとどまり、模様眺めムードを映す。
新興市場ではマザーズ指数や日経ジャスダック平均が上昇しているが、やはり個人投資家の物色が活発な印象は乏しい。
アジア市場も中国株を中心に総じてさえない。
後場の日経平均は引き続き軟調に推移しそうだ。
■ドル・円はじり安、日本株の下げ幅拡大で28日午前の東京市場でドル・円はじり安。
日本株の下げ幅拡大で円買い基調が強まり、ドルは107円半ばまで緩やかに値を下げた。
ドル・円は107円80銭台で寄り付いた後、期末、月末のフローでもみ合いながら下落。
また、日経平均株価が下げ幅を徐々に拡大したほか、上海総合指数も軟調地合いとなり株安を嫌気した円買いに振れた。
ランチタイムの日経平均先物は軟調地合いが続き、目先の日本株安継続への警戒からリスク回避的な円買いが入りやすい展開。
ただ、米10年債利回りは2.0%台を維持しており、大きなドル売りは想定しにくい。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は107円56銭から107円84銭、ユーロ・円は122円30銭から122円59銭、ユーロ・ドルは1.1367ドルから1.1375ドルで推移した。
■後場のチェック銘柄・オーミケンシ (T:3111)と日本鋳鉄管 (T:5612)、2銘柄がストップ高※一時ストップ高・安(気配値)を含みます・値下がり寄与トップは、ダイキン工業 (T:6367)、同2位はソフトバンクグループ (T:9984)■経済指標・要人発言【要人発言】・トランプ米大統領「安倍首相と貿易に関して協議する」・日銀金融政策決定会合における主な意見(6月19-20日分)「金融緩和の持続性を高める措置を不断に検討する必要性」「物価モメンタムは失われる場合、必要な政策を適切に実施」「物価見通しの基調は、変調があれば政策対応との姿勢維持はデフレ脱却のカギ」【経済指標】・日・5月失業率:2.4%(予想:2.4%、4月:2.4%)・日・5月有効求人倍率:1.62倍(予想:1.63倍、4月:1.63倍)・日・6月東京都区部消費者物価指数(生鮮品除く):前年比+0.9%(予想:+0.9%、5月:+1.1%)・日・5月鉱工業生産速報値:前月比+2.3%(予想:+0.7%、4月:+0.6%)特になし
<HH>