米ドルは1週間ぶりとなる高値を付けている。
米中貿易戦争の一時停戦を受け、日本円やスイスフランといった安全資産から米ドル買いへシフトした形だ。
6月29日、G20サミット内で米中首脳会談が行われた。トランプ米大統領は会談後の記者会見で「米国は対中制裁関税を見送る。また中国側は米国から農産物の輸入を拡大する」と発言した。
またトランプ米大統領によると、米商務省は中国企業に対し米企業からの部品購入を事実上禁止するエンティティ・リストからファーウェイを除外するか否か協議を進めるという。
激化していた米中貿易摩擦が緩和され、市場心理は世界的に回復している。一方で、米中両国は実質的に合意しておらず、世界経済は今後も停滞を続ける可能性が高いとも指摘されている。
1日午後6時23分時点でドル円は108.25で0.34%高。ドルインデックスは96.110で0.46%高。ドルフランは0.9837で0.78%高。ユーロドルは1.1326で0.38%安。
また1日午後11時00分に6月米ISM製造業PMIが発表される。
オフィスFUKAYA代表の深谷幸司氏は「G20サミットを終え、市場の目は米経済ファンダメンタルズに向いている。市場の金融緩和予測を牽制するFRBメンバーもいる中、今月のFOMCで利下げが行われるかどうか米経済指標が材料になるだろう」と指摘している。
6月18-19日に開催されたFOMCでは年内利下げの可能性が示唆された。しかし先週のFRBメンバーの発言や米中貿易摩擦緩和により、利下げ観測は落ち着いてきている。
また昨日発表された6月中国製造業PMIは、貿易摩擦による内需・外需の縮小を受け予想を下回り低下した。
豪ドル/米ドルは0.6996ドルで0.35%安。
共同執筆:ロイター通信