10日未明、米ドルはポンド及び新興国通貨に対して上昇したものの、パウエルFRB議長による議会証言を控える中で、小動きとなっている。
同氏は今後の金利について不確実性が高まる中で、午後11時から議会証言を開始する予定だ。5日に発表された雇用統計が予想を上回り堅調であったことを受け、市場は7月末のFOMCでは25ベーシスポイントの利下げを織り込んでいる。
そのような状況下でもINGのクリス・ターナーストラテジストは、欧州中央銀行による利下げの可能性や米国が制裁関税をかけた場合にユーロ圏経済に与えうる影響を考慮すれば、「ユーロ/ドルが上昇しないか期待するのは時期尚早だ」と述べた。
19時10分時点でユーロ/ドルは0.15%高の1.1223ドルとなった。一方で、ドルインデックスは横ばいの97.012となっている。
10日、ヨーロッパの注目は再びポンドに寄せられている。ポンド/ドルは2012年以来の英国のマイナス成長が予想される中で、2年ぶりの安値となった。
ポンド/ユーロもまた、欧州中央銀行が7月下旬に開催予定のECB理事会で金融緩和を決定する見通しが強まるも、6ヶ月ぶりの安値となった。
19時13分時点で、ポンド/ドルは日中最安値の1.1201ドルから上昇し、1.2485ドルとなっている。またポンド/ユーロは1.1125ユーロとなっており、昨年12月以来となる1.1100ユーロを割る安値を一時記録した。