22日のアジア市場で、米ドルは先週の下落から一転小幅高となった。ジョン・ウィリアムズニューヨーク連銀総裁(NYSE:WMB)の講演により、次のFOMCにおける大幅な利下げ期待が復活したことが背景にある。
米ドルインデックスは一時0.1%高の96.875と小幅高となった。
ウイリアムズ氏は「経済的危機の発生を待つのではなく予防的な策を講じるのが賢明だ」と述べ、「景気を刺激する手段に限りがある場合、経済悪化の最初の兆候が顕在化した時点で迅速に利下げに動くのが得策だ」と加えた。
7月30-31日に予定されるFOMCにおいて、コンセンサス予想では25bpの利下げが期待されているが、今回の同氏の発言によって50bpの利下げ期待が市場で復活した。
トランプ米大統領は、ウィリアムズ氏の発言を気に入ったと述べ、「FRBが金利を早く/速く上げすぎたことは100%正しく、この狂った量的引き締めを必ずやめなければならない」と発言した。
19日、セントルイス連銀のブラード総裁は7月末のFOMCでは25bpの利下げを好むと述べた。
同氏はまた、FRB議長を務めることについて「是非やりたいものだ」とも述べている。
また同氏はニューヨークの記者に対し、「その栄誉が与えられるのであれば、もちろん引き受けたい」と述べ、「その声はまだかかっておらず、またその可能性は勿論低いものだ」とつけ加えている。
ユーロ/米ドルは、0.04%安の1.1215となり、ECBの政策会合はドラギ総裁がユーロ圏経済を支えるためにどのような手段をとるのかを判断するため、市場の注目を集めている。
米ドル/日本円は0.3%高の107.96となり、日本の製造業データが24日に発表される予定だ。
英ポンド/米ドルは0.1%安となり、イギリスの合意なきEU離脱に対し募る不安を反映した形となった。先週英ポンドは対米ドルで、過去27ヶ月で最低水準の値で取引され、19日にはわずかに回復した。