[ニューヨーク 7日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、円が対ドルで8カ月ぶり高値を更新。米中貿易摩擦の激化を背景に世界の成長懸念が広がる中、質への逃避で円やスイスフランの買いが加速した。
この日は世界の複数の中銀が利下げに動いたものの、世界景気減速を巡る懸念を払拭するには至らなかった。
ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は、政策金利のオフィシャルキャッシュレート(OCR)を50ベーシスポイント(bp)引き下げ、過去最低の1.00%とした。また、オア総裁は記者会見で、景気支援のためマイナス金利を導入する可能性に言及した。
インド準備銀行(中央銀行)も主要政策金利のレポレートを35bp引き下げ5.40%とした。市場予想は25bpの利下げだった。 タイ中央銀行も予想外の利下げを実施。翌日物レポ金利を25bp引き下げ1.50%とした。
ウエルズ・ファーゴの為替ストラテジスト、エリック・ネルソン氏は、複数中銀による利下げにもかかわらず神経質な取引となったことについて、「中銀による緩和策が実際に世界経済を下支えるかどうかを巡る懸念が根強いようだ」と述べた。
終盤の取引で、NZドルは対米ドルで0.92%安の0.6463米ドル。
ドル/円は0.47%安の105.94円。一時、1月3日以来の安値となる105.51円まで下落した。
ドル/スイスフランも0.37%安の0.9727フラン。
ドイツ連邦統計庁が同日発表した6月の鉱工業生産指数が前月比1.5%低下と、予想以上に低下したことも、景気を巡る懸念をあおった。
人民元はこの日下落したものの、前日記録した11年ぶり安値を上回る水準にとどまった。オフショア人民元は対ドルで0.39%安の7.0814元。
主要6通貨に対するドル指数 (DXY)は0.1%安の97.532。米債利回りの低下に追随した。米30年債利回りは過去最低水準に迫った。
ドル/円 NY終値 106.26/106.29
始値 106.20
高値 106.27
安値 105.51
ユーロ/ドル NY終値 1.1197/1.1201
始値 1.1183
高値 1.1241
安値 1.1184