[ニューヨーク 22日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場ではドルが下落。ただ狭いレンジ内の動きにとどまった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がワイオミング州ジャクソンホールの年次経済シンポジウムで行う講演待ちとなっている。
市場参加者はFRBが緩和スタンスを再確認する可能性があるとみており、パウエル議長が23日の講演で、前日公表された7月30─31日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の内容を明確に説明し、リセッション(景気後退)懸念を和らげるハト派的な発言を行うと期待されている。
ただパウエル議長の発言によって大幅な米利下げ期待がそがれる可能性もある。この日はカンザスシティー地区連銀のジョージ総裁とフィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁が現時点で追加利下げの必要はないとの考えを表明した。
BKアセット・マネジメントの為替戦略マネジングディレクター、キャシー・リエン氏は「パウエル議長は前回のFOMC後の記者会見で楽観的な見方を示した。市場は来月の利下げを完全に織り込んでいるが、パウエル議長が(今回の講演で)利下げの可能性を引き下げるリスクがある」とし、このような曖昧さが外為市場の取引レンジが広がらない一因になっているとの見方を示した。
OANDAのシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は、ジャクソンホールの年次経済シンポジウムはFRBにとって議事要旨で生じたとみられる「コミュニケーション上の誤解」を正す良い機会になると指摘。「FRBが米経済に落ち度はないとしてややタカ派的な見方を示さなければ、利下げ圧力が高まるだろう」と述べた。
午後の取引でドル指数 (DXY)は0.2%安の98.148。ドル/円は0.2%安の106.41円。
一方、ユーロ/ドルは1.1086ドルで小動き。IHSマークイットが発表した8月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は小幅に上昇。サービス業が好調だったほか、製造業の縮小ペースも鈍化したが、貿易摩擦を背景に先行きの見通しを示す指標は過去6年あまりで最低の水準に落ち込んだ。
ドル/円 NY終値 106.42/106.45
始値 106.44
高値 106.63
安値 106.33
ユーロ/ドル NY終値 1.1078/1.1081
始値 1.1067
高値 1.1099
安値 1.1064