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ECBの金利階層化、銀行からは負担軽減が小さ過ぎとの声

発行済 2019-09-13 06:20
更新済 2019-09-13 06:26
ECBの金利階層化、銀行からは負担軽減が小さ過ぎとの声

[フランクフルト 12日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が金利階層化の導入を決定した。マイナス金利の深掘りが銀行に及ぼす影響を軽減するためのものだが、当の銀行からは軽減規模が小さ過ぎて救済にはつながらないという声が聞かれた。

ECBは12日の理事会で、利下げや量的緩和(QE)の再開など包括的な追加金融緩和策の導入を決定。市中銀行が余剰資金をECBに預け入れる際の適用金利である預金金利を現行のマイナス0.4%からマイナス0.5%に引き下げた。

マイナス金利が深掘りすると、銀行がECBに預け入れる準備金のうち、法定準備額を超える「超過準備」に対する懲罰的な金利負担が増えることになる。銀行が顧客の預金金利をマイナス圏に引き下げることはできないため、金利負担は銀行側の持ち出しとなり、業績の悪化につながりかねない。

ドイツ銀の推計によると、預金金利をこれまでのマイナス0.4%とし、金利階層化がない場合、域内銀行は計2兆ユーロに上る超過準備に対して年間約80億ユーロの金利を支払うことになる。これに対し、ピクテが試算した今回の金利階層化に伴う域内銀行の金利負担の節減額は31億ユーロにとどまるという。

ドイツ銀行協会(BdB)のハンス・ワルター・ペータース会長は「金利階層化が導入されても欧州の銀行はECBに毎年何十億ユーロもの懲罰的な金利を支払わねばならない」と述べた。

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