[ニューヨーク 23日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが約2年ぶりの安値を付けた。新型コロナウイルス感染者の急増によって米経済が他国を上回って成長することが難しくなるとの見方を背景にドル売りが続いている。
対照的に、ユーロは2018年10月上旬以来の高値に浮上。前日にはテクニカル上の節目である1.16ドルを突破。対ドルでは5日連続高となった。欧州連合(EU)首脳が今週、新型コロナ復興基金案で合意したことが引き続き買い材料となっている。
ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズの通貨ストラテジスト、エリック・ネルソン氏は、「投機筋はG10通貨の多くをかなりアンダーウエートにしていたため、足元のモメンタムは継続する余地がある」と指摘。「このモメンタムが止まり、ドルが勢いを取り戻し始める最大のリスクは株価だ。株高が一服し、大幅に下落すれば、ドルの強さが急に戻るだろう」と述べた。
米労働省が23日発表した18日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は141万6000件と、前週の130万7000件から約4カ月ぶりに増加に転じた。国内で新型コロナウイルス感染が再拡大し需要を圧迫する中、雇用市場の回復が失速している兆候を示唆した。
ロイターの集計によると、米国の新型コロナウイルス感染者が400万人を突破した。1時間当たり平均2600人強の新規感染者が確認されており、世界で最悪のペースになっている。
午後の取引で、ドル指数 (=USD)は0.3%安の94.725。一時18年9月下旬以来の安値を付けた。3月20日の高値から約8%下落。今週は1.3%安となっており、5週連続の下落となる見込み。
もっとも、ムニューシン米財務長官がこの日、米政府がドルの安定を守ると発言したことを受け、ドルが強含む場面もあった。
ドルは対円
ユーロ (EUR=EBS)は0.34%高の1.1609ドル。前日に付けた21カ月ぶりの高値である1.1601ドルを上回った。
豪ドル
オフショア人民元
中国外務省の汪文斌報道官は23日、テキサス州ヒューストンの中国総領事館が知的財産を窃取しているとする米国の主張は悪意のある中傷だと非難した上で、米国の対応は両国関係を激しく損なうもので、報復は必至と表明した。
ドル/円 NY終値 106.85/106.88
始値 107.15
高値 107.22
安値 106.72
ユーロ/ドル NY終値 1.1594/1.1598
始値 1.1586
高値 1.1626
安値 1.1541