27日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
- ■株式見通し:主要企業の決算評価の動きが相場全体の底堅さにもつながる
- ■キヤノン、20/12上方修正 営業利益640億円←450億円、減益幅縮小
- ■前場の注目材料:ソニー、新工場来秋稼働、CMOSセンサー受注好調
■主要企業の決算評価の動きが相場全体の底堅さにもつながる27日の日本株市場は米株安を受けて売り先行となろうが、その後は底堅さが意識されそうだ。
26日の米国市場はNYダウが650ドル安と大幅に下落した。
欧米で新型コロナウイルス感染が一段と拡大し、一部欧州地域では規制強化で世界経済の見通しが悪化したため寄り付きから下落。
さらに、米国大統領選への不透明感や追加経済対策の交渉行き詰まりで投資家心理がさらに悪化した。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比70円安の23410円。
円相場は1ドル104円80銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から売り先行の展開になろう。
日経平均は支持線として意識されている25日線での攻防となりやすく、同線での底堅さを見極める格好になりそうだ。
もっとも、欧州での新型コロナ拡大のほか、米大統領選や追加経済対策の先行き不透明感は想定内であり、昨日の時点でこれらが相場の重石となる格好で日経平均は23500円を割り込んでいた。
ショート筋の売り仕掛け的な動きは意識されそうであるが、大きく下押す流れにはなりづらいだろう。
一方で、決算発表が本格化するなか、日本電産 (T:6594)、日東電 (T:6988)、キヤノン (T:7751)等の主要企業の決算が評価されやすい。
全体が売り先行となろうが、これら銘柄が強含みの展開となるようであれば市場は冷静であり、相場全体の底堅さにもつながるだろう。
重要イベントを控えて積極的なポジションが取りづらい中でロングポジションは積み上がっているとは考えづらく、反対にショートに傾いているとみられるため、決算評価の動きがみられてくるようであればセンチメント改善にもつながると考えられる。
また、マザーズ市場は依然として不透明ではあるが、節目の1200ptを割り込んできたこともあり、踏ん張りをみせてくるかが注目されるところ。
これまで強いトレンドを形成していた銘柄の多くが利益確定の流れに押されているが、資金が集中していた分、この反動はこれまでもみられてきた動きであり、需給調整一巡を見極めたいところであろう。
また、本日はカラダノート (T:4014)がマザーズ市場に上場する。
初日は買い気配のままで値が付かないとの見方がコンセンサスであるが、この需給状況の中で想定通りの人気をみせてくるようであれば、センチメント改善に向かわせよう。
■キヤノン、20/12上方修正 営業利益640億円←450億円、減益幅縮小キヤノン (T:7751)は2020年12月期業績予想を修正。
売上高は3兆800億円から3兆1400億円、営業利益は450億円から640億円に上方修正している。
コンセンサス(450億円程度)を上回る。
在宅勤務や在宅学習の普及でインクジェットプリンターの売れ行きが想定を上回ったのを反映。
低迷するオフィス向けのプリント需要については、来年以降10%前後の減少は想定しているが、それ以上に大きく落ち込むことはないと想定。
足元では需要が徐々に回復基調にあるようだ。
■前場の注目材料・米長期金利は低下・日銀のETF購入・米経済対策への期待・コロナ向けワクチン開発の進展・ソニー (T:6758)新工場来秋稼働、CMOSセンサー受注好調・島津製作所 (T:7701)近畿大とPET臨床、認知症・がん検査正確に・日立 (T:6501)来年度ハンコ全廃、新常態対応・電子化推進・オリンパス (T:7733)粉飾、旧経営陣3人に594億円賠償確定、最高裁・日産自 (T:7201)来年初頭に印で小型SUV、他地域投入も視野・横浜ゴム (T:5101)人の発想力とAI融合、タイヤ開発効率化・GSユアサ (T:6674)寿命性能を2割向上した業務用車両向けバッテリー・カネカ (T:4118)脳動脈瘤塞栓コイルを米で販売・エーザイ (T:4523)アルツハイマー病治療薬、欧州で販売承認申請、バイオジェン・大日住薬 (T:4506)シニアの副業・兼業解禁、来春、働く意欲・能力向上・三菱ケミHD (T:4188)コークス生産能力36%減、国内鉄鋼生産が縮小・東洋紡 (T:3101)タイに合弁、エアバッグ用原糸を生産☆前場のイベントスケジュール・10:30 中・9月工業企業利益(8月:前年比+19.1%)
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