[東京 16日 ロイター] -
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 108.80/82 1.1968/72 130.23/27
午前9時現在 108.68/70 1.1967/71 130.08/12
NY午後5時 108.74/77 1.1965/69 130.15/19
午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ若干ドル高/円安の108円後半だった。米長期金利低下を受けて108.61円まで下落したが、下値の堅さを確認して確認して買い戻された。この日のドル/円は米長期金利には追従せず、米国と中国・ロシアとの緊張関係関係など関心が地政学リスクに向かっていた。
ドルは前日の米長期金利急落を受けて朝方に下落したが、108円半ばで下値が固いことが確認されると短期筋のショートカバーが急速に広がり、一気に108.94円まで買い戻された。
市場では「足元のドル/円は、米長期金利に追従するのをやめつつある」(アナリスト)との声が聞かれた。「普段なら(米長期金利が)これほど急落すれば、ドル/円は105円台まで突っ込んでもおかしくない流れになる」(同)という。
リフィニティブによれば、米10年国債利回りは13日の1.7030%から前日1.5280%まで低下した。
ドル/円が米長期金利の低下にさほど動じないのは、日米首脳会談を挟んで地政学リスクが徐々に意識されていることもあるとみられる。
米政府は15日、昨年の米大統領選へのロシアの介入やサイバー攻撃など「悪質」な活動に対する報復として、包括的な制裁措置を発動した。
バイデン米大統領は菅義偉首相との首脳会談で、台湾情勢で両国の結束を示す見込み。また、米議会の対中強硬派は政権に対し、半導体EDA(回路自動設計)ソフトの中国への販売を制限するよう求めている。
「米国がロシア、中国と対立を激化させるリスクシナリオでは米国が当事国のため、リスク回避のドル買いにはなりにくい。中ロと距離が近い日本の円も投資対象にはなりにくい」(前出のアナリスト)という。
結果的にドル/円では様子見が広がり、米長期金利の変動に反応が鈍くなっている。
今月に入り米金利が低下基調にある一因として、日本の大手投資家が買いに動いた可能性を指摘する声もある。財務省によると、4月第1週の対外中長期債投資は差し引きで1兆7144億円と前週の3751億円から急増。ほぼ5カ月ぶり高水準へ膨らんだ。
市場では「新年度入りで高い金利水準を狙った買いが入ったのではないか」(証券)との声が出ている。この週のドルは6日の110.55円を高値として、8日に109.00円まで下落。9日には109円半ばまで切り返す荒い動きだった。
(為替マーケットチーム)