ドル/円
正午現在 86.82/87 1.2889/94 111.93/98
午前9時現在 87.20/24 1.2910/13 112.59/63
NY17時現在 87.01/05 1.2885/87 112.08/10
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[東京 23日 ロイター]正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点から小
幅ドル安の86円後半。前日、米国株が200ドル超上昇し米長期金利が上昇したにもか
かわらず、ドル/円の上昇幅が限定的だったことを受け、輸出企業は朝方から売りを急ぎ、
仲値公示前からドルは87円前半で、ユーロは112円台前半を中心に実需の売りが膨ら
んだ。
輸出業者がドル売り、ユーロ売りのターゲット水準を切り下げたことで、ドル、ユーロ
とも次第に下値を伸ばし、午前の取引では、ドル/円が一時86.73円付近、ユーロ/
円は111.78円付近まで弱含んだ。
市場では、「現在のドル/円相場に熱狂はない。86円割れは介入警戒感もあるが、あ
くまで静かな警戒感」(外為専門会社)だとの指摘も聞かれた。
ただ、個人投資家がドル/円、豪ドル/円ともかなりのロングを積み上げているとされ、
「相場水準が下方修正されれば、個人投資家からの損失カットの売りが下落ピッチを速め
る可能性がある」(同)という。
<ストレステスト>
市場の関心はきょう公表予定の欧州金融機関のストレステストに集まっている。
注目は各国国債のヘアカット率や、景気悪化に伴う不良債権の増加、また資本増強の必要
額等にある。ただ、景気指標とは異なり、ストレステストの結果についてはコンセンサス
が成立しにくいことから、ストレステスト後の要人発言に注目するとの声も上がっている。
市場では「(ストレステストの)結果いかんにかかわらず、アク抜け感から、ユーロが
買い進まれる可能性もある。ただ今後発表されるユーロ圏の失業率やGDPは悪化すると
予想しているので、ユーロの潮目が中長期的に変化するとは思わない」とみずほコーポレ
ート銀行国際為替部のマーケット・エコノミスト唐鎌大輔氏は言う。
きょう予定される欧州銀行ストレステストの結果発表では、各行が保有する国債に関
する情報が公表される公算が高まっている。ロイターが入手した文書では、欧州銀行監督
者委員会(CEBS)は各行に対し、保有するすべての国債に関する情報提示を求めてい
るが、公表は各行および監督当局にゆだねられている。
複数の関係筋が明らかにしたところによれば、公表に最も消極的な態度を示してきたド
イツの銀行は、他国からの圧力を受けて公表する方向に傾きつつある。国債保有に関する
情報が公開されれば、財政問題を抱えるギリシャ、スペイン、ポルトガルなどの国債に対
する各行のエクスポージャーをめぐる不透明感が払しょくされる。
ただ、「ストレステストはあくまで金融機関の話。ユーロが直面しているのはソブリン
の問題なので、ストレステストの結果はアク抜け材料にはなっても、何ら解決を提供しな
い」(邦銀)という。
さらに「ユーロもドルもともに弱いので、ユーロ/ドルではユーロの真の実力は測れな
い」(同)とされる。
ユーロ/豪ドル
反落。ユーロは1.44豪ドル後半で、7月月初の1.49―1.50豪ドル台から反落
している。
ユーロ/ドル1カ月物25%デルタのリスク・リバーサル
1.85%のプットオーバーで、前日から小幅に拡大した。ユーロに対する市場の見方が
短期的には弱気派が若干増えていることを示す。
(ロイター 森佳子記者)