［キエフ ２７日 ロイター］ - ウクライナのゼレンスキー大統領は２７日、ロシアが提案したベラルーシでの協議を拒否した。ベラルーシはロシアのウクライナ侵攻に加担したためとし、それ以外の場所で交渉する余地は残した。
インタファクス通信などによると、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、２４日の攻撃開始から初めてとなるウクライナとの交渉に向け代表団がベラルーシのゴメルに到着したと発表。ウクライナ側の到着を待っているとした。
ウクライナ大統領府のポドリャク顧問は、この動きについて宣伝活動にすぎないと非難した上で、「ゼレンスキー氏の立場は変わらない。真の交渉だけを求めており、最後通告はいらない」と強調した。
＜各地で攻防続く＞
侵攻開始から４日目となった２７日も、首都キエフでは断続的に爆発音と銃撃音が聞こえた。
北東部にある第２の都市ハリコフにロシア軍が入り、ウクライナ軍と市街戦を繰り広げている。夜明け前にはロシア軍が天然ガスパイプラインを爆破した。
ハリコフの市長は「ロシア軍の車両がハリコフに入り、中心部にも到達している。ウクライナ軍が敵を倒している」と述べた。ハリコフが位置する州知事は、ハリコフはウクライナ側が掌握していると語った。
ウクライナ内務省のアントン・ゲラシュチェンコ顧問は、キエフへの進軍を試みるロシア側とブチャで戦闘が起きていると明らかにした。
また、オンラインニュースサイトSegodnya.uaによると、キエフ西側の街ブチャで橋が破壊されたという。破壊がロシア軍とウクライナ側のどちらによるものかは不明。
一方、東部ルガンスク州の親ロシア派は、ウクライナ軍のミサイルによりロベニキで石油ターミナルが破壊されたと述べた。
＜ＳＷＩＦＴ排除＞
米国、英国、欧州、カナダは２６日、ロシアへの新たな制裁措置の一環として、同国の一部銀行を国際銀行間の送金・決済システムのＳＷＩＦＴ（国際銀行間通信協会）から排除することで合意した。
欧州連合（ＥＵ）の欧州委員会、フランス、ドイツ、イタリア、英国、カナダ、米国の首脳が合意した制裁には、ロシア中央銀行の外貨準備に関する規制も含まれ、数日中に実行する。
排除される銀行名は明らかにされていない。ＥＵのある外交官は、ロシアの銀行市場の約７割が影響を受けるだろうと述べた。
「金融上の核兵器」とも呼ばれるＳＷＩＦＴ排除を巡っては、自国経済への影響を懸念した各国が当初導入を敬遠していた。
一方、ロシア中銀に対する制裁は、６３００億ドルを超える外貨準備金の使用制限につながる可能性がある。