[26日 ロイター] - 26日の米株式市場で電気自動車(EV)大手テスラが12.2%急落し、時価総額1260億ドルが消失した。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がツイッター買収資金を確保するためテスラ株を売却するとの懸念が広がった。
マスク氏はツイッター買収で210億ドルの自己資金を投じるとしているが、調達方法は明かしておらず、テスラ株が投機筋の売りにさらされている。26日の値下がりで同氏が保有するテスラ株の価値は210億ドル目減りした。
ウェドブッシュ証券のアナリスト、ダニエル・アイブス氏は、マスク氏が株式を売却するとの見通しや、ツイッター買収に気を取られるとの懸念がテスラ株の重しになっていると指摘した。
マスク氏が1株当たり54.20ドルでの買収で合意したにもかかわらず、ツイッター株も26日に3.9%下落し49.68ドルとなった。テスラ株の価値が急速に低下すれば、マスク氏がツイッター買収を再考するのではないかとの懸念が背景にある。
OANDAのシニア市場アナリスト、エド・モヤ氏は「テスラ株の急落が続けばマスク氏の資金調達が危うくなる」と述べた。
マスク氏はツイッター買収の一環として、自身が保有するテスラ株を担保とした125億ドルのマージンローンも確保した。同氏は既に保有株の約半分を担保に資金を借り入れている。
メリーランド大学のデービッド・キルシュ教授は、マスク氏の借り入れで「マージンコール(追加証拠金請求)の連鎖」が起きることを投資家は懸念し始めていると語った。