[東京 10日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日のニューヨーク市場終盤(130.25/28円)に比べてドル高/円安の130.34/36円で推移している。日経平均の大幅下落や米長期金利の低下を受け、午前中に一時、129.80円まで下落した。ただ、その後米長期金利が再び3%台に乗せるとドル買い/円売り地合いとなり、130円前半で底堅い動きとなった。
時間外取引で米10年債利回りは足元、3.05%台前半。ドル/円はここのところ、米金利の動きに連動する展開が続いている。ただ、米国の利上げについては織り込みが進んでいるため、「米金利の上昇余地はそこまで大きくないのではないか」(SMBC信託銀行のマーケットアナリスト・合澤史登氏)との声も聞かれる。
米金利の上昇スピードが鈍化すれば、ドル/円も緩やかな上昇にとどまるという。
市場からは、不安定な状況が続く株式市場の動きを注視する意見も聞かれた。T&Dアセットマネジメントのチーフ・ストラテジスト兼ファンドマネジャー、浪岡宏氏は、株価が下落する局面では、安全通貨としてのドル買いとリスク回避の円買いが入りやすくなり、「これまでのようにドル/円が一本調子で上がっていく可能性は低いのではないか」と話した。
日本の当局者による円安けん制発言が相次いだものの、市場の反応は薄かった。 鈴木俊一財務相は10日の閣議後会見で、外為市場でドル/円相場が20年ぶりの円安水準となっていることに関し、市場動向や日本経済への影響を緊張感を持って注視する考えを示した。一方、日銀の内田真一理事は参院・財政金融委員会で為替相場の短期間の変動は先行きの不確実性を高め、望ましくないと述べた。
SMBC信託銀行の合澤氏は、「これまでの発言と同じような内容が繰り返され、マーケットも慣れてしまった面はあるのではないか」と指摘する。また、先月の日米財務相会合を経て、為替介入の実現可能性が低いことが確認されたとして、政府関係者の発言に対する市場の反応が鈍くなっているという。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 130.34/36 1.0575/79 137.85/89
午前9時現在 130.37/39 1.1561/65 137.70/74
NY午後5時 130.25/28 1.0555/59 137.58/62