[シドニー 18日 ロイター] - オーストラリア連邦統計局が18日発表した第1・四半期の賃金価格指数は、労働市場の逼迫や歴史的求人率を背景に上昇したが、市場予想は下回った。利上げが加速するとの観測が後退した。
伸び率は前期比0.7%、前年比2.4%。前年比では2018年終盤以来の高い伸びだった。市場予想は前期比0.8%、前年比2.5%だった。
民間部門は前年比2.4%、公的部門は2.2%、それぞれ上昇した。
予想を下回る賃金の伸びを受け、豪ドルは20ティック下げて1ドル=0.7012米ドルとなった。市場参加者の多くは賃金の伸びが予想を上回り、オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)に利上げペースを加速するよう圧力がかかると見込んでいた。
キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ベン・ウディ氏は「大方の予想よりも弱く、RBAに6月会合での40ベーシスポイント(bp)の利上げを呼びかけていた一部のコメンテータを黙らせることになるだろう」と述べた。
賃金の前年比2.4%の伸びは消費者物価の上昇率である5.1%の半分にしか達しておらず、大半の国民は実質所得が減少していることになる。
業種別では、賃金の前年比上昇率が3%を超えたのは不動産のみで、かねてから国民全体の賃金で3%超の伸び率を目指してきたRBAにとっては失望を誘う結果だった。