[マニラ 20日 ロイター] - 7月1日に就任するフィリピン中央銀行のフェリペ・メダラ次期総裁は20日、インフレを抑制するため、年内に一連の利上げを実施する方針を示した。来年も利上げを継続する可能性があるとしている。ただ、緩和策の巻き戻しは段階的に行うのが望ましいとの見解を示した。
次期総裁はニュースチャンネルANCに「今年は少なくともあと2回(の利上げが)ある。必要なら(利上げ回数は)2回を超えるだろう。必要であれば来年も追加の利上げを行う」と発言。
「ただ、この薬を過度に使用したくはない。いわゆる供給ショック、特にグローバルショックには、この薬はあまり効かないからだ」と述べた。
ビジネスワールド紙のオンラインフォーラムでは、利上げ幅に関して「個人的には50ベーシスポイント(bp)は好ましくないと思う」と語った。
中銀は23日に政策決定会合を開く。先月に利上げを開始しており、今回の会合でも少なくとも25bp利上げし、政策金利は2.50%になるという見方が大勢だ。
しかし、米連邦準備理事会(FRB)による先週の大幅利上げや今後の追加引き締め見通しを受け、フィリピン中銀が50bpの利上げを決定する可能性があるとの見方も浮上した。
次期総裁は「FRBに合わせる必要はない」と語った。
5月のインフレ率は前年比5.4%と、約3年ぶりの高水準。今年の目標である2─4%を上回っている。第1・四半期の経済成長率は前年比8.3%だった。
次期総裁は、国内経済は強く、金融引き締めに耐えられるとし「成長を阻害せずに利上げする余地は大いにある」と述べた。