[24日 ロイター] - 女子テニスで元世界ランキング2位のアンドレア・イエガー氏(57、米国)が、現役だった1980年代に女子ツアーを統括するWTAのスタッフから「少なくとも30回」にわたりセクシュアルハラスメントを受けたと、英インデペンデント紙に明かした。
イエガー氏は14歳からツアーでプレーし、通算10勝を記録。四大大会では準優勝2回、準決勝進出3回の実績を持つ。1981年にはシングルスの世界ランクで自己最高の2位となったものの、肩のけがにより19歳で現役を引退した。
輝かしい結果を残したイエガー氏だったが、ツアーでプレーした5年間に受けたセクシュアルハラスメントは大半がロッカールームでの出来事だったため、大会ではWTAのスタッフを避けるのが習慣になっていたという。
同氏は「簡易トイレやトイレの個室で着替えていた。人々の意見や関心、行動に対処したくなかったから。キャリアのごく初期には、ある特定のスタッフから少なくとも30回はロッカールームで肉体的な接触をされそうになったことがある。トレーニングルームでも同じことがあったので、1人で入るのは避けていた」と述べた。
さらに、1982年には飲酒を強要されたこともあったという。イエガー氏は、1人の女性スタッフに自宅まで送ってもらった時のことを「マンションに着いたら、彼女は私をドアまで連れて行き、私と何かをしようとした。私にキスをしようとしていた。私はとても気分が悪くなったので四つん這いで階段を上り、吐かないようにしていた」と振り返っている。
ただ、その後に同件に関してWTAに訴えたものの、姉妹への奨学金を止めるなどと脅され、声を上げることができなかったと吐露。「これ以上の被害が出ないようにしたい」とし、今が自身の経験について語る正しいタイミングだと思ったと述べた。