[マンハイム 24日 ロイター] - スイス製薬大手ロシュのシュバン最高経営責任者(CEO)は24日、記者団に対し、腫瘍を狙うモノクローナル抗体に抗がん剤成分を載せる抗体薬物複合体(ADC)について、投資拡大には懐疑的な考えを引き続き示した。
ADC療法には製薬業界で注目が高まる。シュバン氏は「この分野に投資する会社はかなりある」と認めた上で、「われわれとしては、関心は依然としてかなり限られている」と述べた。同社は数年前、ADCに関する開発や承認で先駆けたが、その後の進展は当初の期待を大きく下回っている、
最近の米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、ADCの専門会社シーゲンに米製薬大手メルクなどが買収を提案する可能性があると報じていたが、シュバン氏はシーゲン取得への関心を巡る質問には答えなかった。
ADCでは今年になって英製薬大手アストラゼネカと第一三共の乳がん治療薬の臨床試験が有望な結果を示し、大きな売り上げにつながる可能性を示唆している。