クリーク・アンド・リバー社<4763>(東証プライム)は、前日11日に169円高の2279円と急反発して引け、取引時間中には2287円まで買い進まれる場面があり、4月20日につけた年初来高値2340円に肉薄した。今年7月7日に発表した同社の今2023年2月期第1四半期(2022年3月~5月期、1Q)決算が、2ケタ増益と続伸して四半期業績として過去最高を更新したことを見直し、今2023年2月期業績の上ぶれを先取りする買い物が増勢となった。また新型コロナウイルス感染症の新規感染者がリバウンドし、「第7波」入りとなったなか、同社の医療分野の医師紹介が、ワクチン接種向けに好調に推移していることも、関連株人気の再燃期待を高めている。
■クリエイティブ分野、医療分野など全セグメントが好調推移
同社の今期1Q業績は、売り上げ113億7100万円(前年同期比7.3%増)、営業利益16億8700万円(同37.1%増)、経常利益16億9500万円(同35.9%増)、純利益12億4400万円(同41.3%増)と続伸して着地し、四半期業績として過去最高を更新した。人材派遣会社として各分野のプロフェショナル34万5000人、クライアント4万5000社を擁し、映像、ゲーム、動画配信などクリアエイティブ分野を筆頭に、医療分野、会計・法曹分野の全セグメントが続伸したことが寄与した。このうち1Qの医療分野では、医療機関、地方自治体、企業向けのコロナワクチン接種で17の拠点を通じて累計2万4000件の医師紹介を行い、売り上げは前年同期比23%増、営業利益は同51%増となった。
今期第2四半期(2Q)累計・通期業績は期初予想を据え置き、通期業績は、売り上げ440億円(前期比5.3%増)、営業利益40億円(同17.6%増)、経常利益40億円(同17.6%増)、純利益25億円(同12.4%増)と見込み、純利益は、前期の過去最高を連続更新する。今期1Q業績は、今期予想2Q累計業績に対して利益進捗率が67%~77%と高進捗して目安の50%を上回って着地しており、業績上ぶれ期待も高まる。同社は、前期業績も1Qの好決算のあと昨年9月、今年3月と2回上方修正し、配当も2回増配した。今後の業績推移とともに、この再現も注目ポイントとなる。なお今期配当は、年間23円(前期実績20円)と連続増配を予定している。
■コロナ関連人気も加わり年初来高値更新から上値トライ
株価は、前期業績の再上方修正・再増配に今期業績の連続過去最高更新予想が続き年初来高値2340円まで買い進まれたが、ウクライナ危機や米国の景気後退(リセンション)懸念などにより世界同時株安が続くなか1777円まで調整、足元ではこの調整幅の半値戻し水準までリバウンドし、この値固めから上ぶれたところである。PERは20.3倍と割安感はないが、コロナ関連株人気に業績上方修正催促も加わり、相場格言の「半値戻しは全値戻し」を加速させ年初来高値奪回から上値トライが続こう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)