[東京 13日 ロイター] - ドル/円 JPY= ユーロ/ドル EUR= ユーロ/円 EURJPY= 正午現在 121.44/46 1.0611/15 128.87/91 午前9時現在 121.32/34 1.0624/28 128.90/94 NY午後5時 121・24/31 1.0634/36 128.95/99
正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、小幅にドル高/円安の1 21円前半。日経平均の大幅高や、現在の円安が景気にプラスとの認識を示した財務相発 言等が意識され、底堅く推移した。ただ、インターバンクと実需筋は共に動きが低調で、 上値追いの気運は盛り上がらなかった。 ドルは午前の取引で、121.27─121.47円と狭いレンジ内の値動きに終始 した。 麻生太郎財務相は13日の閣議後会見で景気認識を問われ、回復基調が続いていると の考え方を示した。その上で、「基本的に円安というものは、今の状況において景気にプ ラス。原油安、低金利、円安が景気にプラスというのは確かだ」とした。
このところのドル高局面では、120円台で政府要人から円安けん制発言が発せられ ていたが、「ユーロ/円が急落したので、さすがに当局も円安けん制をしなくなった」( 外銀)との指摘が出ており、ドルの底堅さに貢献した。 ただ、この日は事実上の五・十日に当たるにも関わらず、実需の動きが鈍く、インタ ーバンクの取引も低調で、財務省発言に対する市場の反応は限定的だった。
<ドル指数>
主要6通貨(ユーロ、円、英ポンド、カナダドル、スウェーデンクローナ、スイスフ ラン)に対するドルの相場を指数化したドル指数 .DXY は、前日、前々日と100越えし 、約12年ぶりの高水準を推移していたが、前日ニューヨーク市場の終盤には99前半ま で反落して取引を終えた。正午時点の同指数は99.35付近。 ドル指数反落の背景は、同指数において比率の大きいユーロが、投機筋によるショー トの巻き戻しによって大幅に反発したことだという。
<米小売売上高の予想外の減少> 米商務省が12日に発表した2月の米小売売上高は、前月比で0.6%減少した。減 少は2012年以来初の3カ月連続。市場は0.3%増を予想していた。前月は0.8% 減だった。 売り上げの落ち込みは広範な部門にわたり、大雪や寒波など2月後半の厳しい天候が 要因とみられるほか、第1・四半期の経済成長を損ねる可能性がある。 前日の金融証券市場では、小売売上高が低調な状態が続いていることで、連邦準備理 事会(FRB)が6月に利上げに踏み切るとの観測が後退し、米国株が大幅に上昇した。
「米国株は完全に金融相場になっている。業績とは関係なく変動している」(投資家 )という。
前日は、ティーン向けアパレル小売りの米エアロポステール ARO.N の決算が話題を よんだ。同社は、第4・四半期(11─1月)決算を発表し、調整後1株損益がアナリス ト予想に反して黒字になったことを明らかにした。ただ、2─4月は店舗への客足の鈍さ による需要低調を理由に、赤字額がアナリスト予想を上回るとの見通しを示した。株価は 時間外取引で約8.9%下落した。 同社が示した2─4月の1株損益は0.53─0.61ドルの赤字で、アナリスト予 想平均は0.36ドルの赤字だった。
<ユーロは12年2カ月ぶり安値から反発後も軟調推移>
ユーロは1.06ドル前半で軟調気味。ユーロ/円は128円後半で上値の重さが意 識された。 前日ユーロは、一時1.0494ドルまで下落し、2003年1月10日以来、12 年2カ月ぶりの安値を付けた。その後ユーロは急激に買い戻され、ニューヨーク時間の午 後5時時点では1.0634/36ドルの気配だった。 前日のユーロ急落について市場では、「ユーロの1.05ドル割れを仕掛ける強引な 売りがみられた。ただ、1.05ドル割れの滞空時間が短かかったので、その後は、強引 な売りに対する反動で、強烈なショート・カバーが入った」(外為アナリスト)という。
ユーロ/円も前日一時127.67円まで下落し、11日に付けた127.64円( 2013年6月27日以来の安値)に迫った。
(為替マーケットチーム)