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東京外為市場・午後3時=ドル伸び悩み、円安けん制発言の余韻残り

発行済 2015-04-14 15:47
更新済 2015-04-14 15:51
© Reuters.  東京外為市場・午後3時=ドル伸び悩み、円安けん制発言の余韻残り
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[東京 14日 ロイター] -                    ドル/円 JPY=   ユーロ/ドル EUR=   ユーロ/円 EURJPY= 午後3時   119.75/77 1.0538/42 126.94/98  正午現在   119.85/87 1.0576/80 126.76/80  午前9時現在 120.04/06 1.0570/74 126.89/93  NY午後5時 120.14/17 1.0567/72 126.92/96

午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル安/円高の11 9円後半だった。円安けん制や2%の物価目標修正の必要性を訴えた浜田宏一内閣官房参 与の発言が話題を呼び、投機的なドルロングが巻き戻された。午後にかけても上値を押さ える要因として残り、ドル/円は動意に乏しい展開が続いた。

東京市場でドルは高値120.17円付近から、仲値公示にかけて119.79円ま で下落。120円台では輸出企業によるドル売り/円買いが散見されたという。 その後、ドルは切り返して120円に迫ったが、前日に重ねて、浜田氏の発言が伝わ ったことで、ドルの上昇は失速、午後には119.66円まで下落した。 市場では「浜田氏の発言の余韻が残っている。まだドル/円は買いにくい」(国内金 融機関)との声が出ていた。

きょうの海外時間には、米小売売上高の発表が予定されている。悪天候の影響が強か った前の月の分からは持ち直すとみられており、金利上昇に伴うドル高というのが基本シ ナリオとされる。りそな銀行のシニアクライアントマネージャー、尾股正寿氏は「いい数 字が出ればドルを買う素直な動きになるのではないか」と指摘している。 市場では「あまりに強い数字となれば、米株式相場が崩れてドル売りが誘発される恐 れがある」(国内金融機関)との指摘もある。ただ、りそな銀の尾股氏は「株が崩れても 金利が上昇しているのであれば、ドル/円は上方向が見えやすくなる」と指摘している。 ロイターがまとめた市場予想は前月比プラス1.0%となっている。 午後に入ってから市場では、きょうの米小売売上高の発表に向け「ドルロングに取り 組もうとする人が多い」(国内金融機関)との声も出ていた。 主要通貨に対するドル指数 .DXY は、このところの高値圏となる99半ばで強含んで 推移している。もっとも、ドル高の流れの中でも「ドル/円が選好されている感じではな い」(同)といい、クロス円をショートにする向きが多いという。 米小売売上高が強い数字となれば、ユーロ/ドルが再び下値を模索する展開になると の見方が出ており「3月半ばにつけた1.04ドル半ばを目指す流れになってもおかしく ない」(別の国内金融機関)との声も出ていた。

<「山本幸三ロング」の巻き戻し>      前日の海外市場では、浜田宏一内閣官房参与の発言が伝わり、ドル/円下落の引き金 となったが、同氏は、きょうもまた、ブルームバーグとの取材に対し、円安は徐々に限界 に近付いているとの見解を示した。

「120円からどんどん円安になるとみていないということか」と同社の質問に対し 、浜田氏は「この辺で円が売りたたかれているところの限界にだんだん近づいているんだ というシグナルを流すことは悪いことではないと思っている。しょせん、為替、株は分か らないから、誰も確固たるビューはない」と答えた。

同発言に対して、市場は過敏な反応を見せなかったものの、ドルの上値は確実に重く なった。     市場では、月初に、自民党の山本幸三衆院議員が「30日の日銀決定会合が追加緩和 に良いタイミング」と発言したことをきっかけに、投機筋を中心に新たなドルロングを構 築する動きが目立っていた。 しかし、きのうの海外市場からきょうにかけて「連打される浜田発言で、山本幸三ロ ング(山本氏の発言に反応して作られたドルの買い持ちポジション)の巻き戻しがでてい る」(外銀)という。

浜田氏は、13日のBSフジのプライムニュースで、購買力平価からすると「120 円はかなり円安、105円ぐらいが妥当」との見方を示した。 同発言が英文で伝わると、海外投機筋を中心にドル売りに拍車がかり、ドルは高値1 20.84円から安値119.68円まで1円以上の変動をみせた。 また、日銀の2%の物価目標について、浜田氏は「こだわる必要はない。無理に2% に持っていく必要はない」としたうえで、変動しやすいエネルギーの影響を除くコアコア CPIを目標にすべきだとの持論を展開し、目安として1%程度を挙げた。 浜田氏はまた、14日付の日経新聞朝刊で、「インフレ目標はそんなに重要ではない 。インフレを起こすのは国民に対する課税だから、できるだけ避けたい」と述べた。

<クロス円により顕著な円高リスクも>

ユーロ/円は午前の取引で、高値127.01円から126.69円まで下落した。

「浜田氏、本田氏など、政府の経済アドバイザーの間では、2%を目指さなくてもい いとの意見が目立つが、これは結果的に投機マネーのドル/円離れを引き起こす可能性が ある」とマネックス証券、シニア・ストラテジストの山本雅文氏は言う。

これまでドル/円相場は、「日銀の緩和を受けた円安圧力と、FRBの金融政策正常 化に伴うドル高圧力の両輪にけん引されてきた。 「片輪のみでもドル高が継続する余地は十分あるが、政府サイドからけん制が続けば 、ユーロ/円など、理論的に円安がオーバーシュートしていない通貨ペアで、円高圧力が 増幅される可能性もある」と同氏は指摘する。

  <ギリシャ問題ふたたび>

前日は「上も下も(オーダー)をかなり消化したあと、目先は材料難になっている。 きのう日銀がさくらレポートを公表したが、材料にはなりえなかった」とFXプライムb yGMO、常務取締役の上田眞理人氏は述べたうえで、ドル/円は当面、119―121 円のレンジ内での値動きになると予想する。 市場の関心は、目下ユーロに向けられており、欧州で大きな動きがあれば、市場が全 般に動意づくと同氏はみている。

前日の海外市場では、ギリシャが月末までに債権団と改革案で合意しなければ、国際 通貨基金(IMF)に対する5、6月分の支払い(合計25億ユーロ)の凍結を計画して いる、とのファイナンシャル・タイムズ紙(FT)の報道を受け、ユーロは一時1.05 205ドルまで下落し約1カ月ぶり安値をつけた。

ただ、その後、ギリシャ首相府がデフォルト準備に関するFT報道を否定したことを 受け、ユーロは、1.0611ドル付近まで買い戻された。 首相府は声明で、「ギリシャ、債権団とも、いかなる形の債務不履行も準備していな い。相互に有益な解決策に向け、交渉が迅速に進められている」と指摘した。

(為替マーケットチーム)

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