日経平均<.N225> 日経平均先物12月限<0#2JNI:>
前場終値 9794.11 +69.30 前場終値 9800 +60
寄り付き 9782.11 寄り付き 9810
安値/高値 9744.99─9802.63 安値/高値 9740─9810
出来高(万株) 84375 出来高(単位) 26008
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[東京 15日 ロイター] 前場の東京株式市場で日経平均は反発。7─9月期実質
国内総生産(GDP)が前期比プラス0.9%と市場予想(プラス0.6%)から上振れ
たことが好感された。またインフレ懸念で前週末に大きく下落した上海総合株価指数
<.SSEC>がもみあいながら落ち着いて始まったことで安心感も広がった。アイルランドの
財政問題などもありリスクマネー巻き戻しが前週末は進んだが、日本株に関してはドル高
・円安方向に振れている為替が下支え要因になっている。
東証1部騰落数は、値上がり900銘柄に対し値下がり518銘柄、変わらずが
217銘柄だった。東証1部売買代金は4983億円。
為替や金利のGDPに対する市場反応が限定的だったのに対し、株式市場は比較的好材
料として受け止めた。「追加経済対策の効果や自動車のエコカー補助金終了前の駆け込み
需要、猛暑効果などで消費が堅調だった。7─9月期GDPが堅調だろうというのはすで
に株価に織り込まれているが、下を売るイメージはこれでなくなったといえよう」(みず
ほインベスターズ証券・エクイティ情報部長の稲泉雄朗氏)。買い一巡後はやや上値が重
くなったが、日経平均は一度もマイナス圏に沈むことなく堅調さを維持した。
相場の地合いが堅調な背景には円安がある。前週末、中国株が大きく下落した際は、ド
ル円は一時80円台まで円高が進んだが、週末の海外市場では再びドル高・円安が進行し
82円台まで戻ってきた。市場では「9月期決算で下期想定為替レートを1ドル80円に
設定した輸出企業が多かった。80円より円安に進めばその分を収益の上振れ要因と受け
止めることができる」(ばんせい投信投資顧問・調査部長の廣重勝彦氏)と、その効果に
期待する声が多い。
業種別では円安を好感し、ハイテクや自動車など輸出株の上昇率が高かった。トヨタ自
動車<7203.T>やホンダ<7267.T>、ソニー<6758.T>など主力輸出株が買われた。また欧州勢
からの買い観測があった銀行株もしっかり。「個人投資家の保有が多い銀行株が上昇する
と市場のムードが良くなる」(準大手証券トレーダー)という。
ただアイルランドの財政問題などが再燃しているほか、国内GDPに関しても「7─9
月期は駆け込みの影響で高成長となったが、10─12月期GDPはマイナス成長になる
とみている。駆け込み需要の反動で消費がマイナスとなるほか、外需も少しマイナス寄与
となる可能性が高く、輸出による下支えが期待できない中で、消費が落ち込むとみられる」
(ニッセイ基礎研究所・主任研究員の斎藤太郎氏)と慎重な見方が出ていた。
(ロイター日本語ニュース 伊賀 大記記者)