ドル/円
午後3時現在 82.71/76 1.3672/74 113.12/16
正午現在 82.58/60 1.3718/20 113.29/34
午前9時現在 82.47/52 1.3688/90 112.89/95
NY17時現在 82.51/54 1.3691/97 112.85/91
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[東京 15日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時時
点に比べて若干ドル高の82円後半。先週から顕著になっているドル買い戻しの流れを受
け継いだこの日は、米国債の利回り上昇などを受け、ドルが82円台後半で上値を伸ばし
た。
ドルは朝方の安値82.40円から徐々に上値を切り上げ、輸出企業のドル売りをこな
して、82円後半と1カ月ぶりの高値に迫った。ユーロは1.3642ドルの安値から一
時1.3751ドル付近まで上昇した後に失速し、1.36ドル後半での値動きとなった。
ユーロ/円は一時113.65円付近まで上値を伸ばしたが、個人投資家の売りを浴びて
いったん下押しした。
<日米利回り格差拡大>
この日は、米国債価格が続落し、日米利回り格差が広がったことが、ドル/円相場の下
支え要因となった。
指標となる米10年国債利回り
近まで上昇し、9月13日以来の高水準をつけほか、5年債利回り<US5YT=RR>が1.4
482%付近と、12日のニューヨーク終盤の1.3630%から大幅に上昇した。
「5年物の日米利回り格差に整合的なドル/円水準は、83円後半から84円前半」と
野村証券、金融市場部・外国為替アナリストの池田雄之輔氏は述べ、ドル/円相場の上昇
余地を指摘した。
市場では、米景気回復が持久性を保てば、量的緩和(QE)の第3弾、第4弾は実施さ
れないとの見方が広がっているほか、先ごろ決定されたQE2(量的緩和第2弾)で予定
される国債買い入れが、予定額未満で終結するとの見方も出ており、米国債市場では利回
り上昇要因、為替市場ではドル買い材料となった。
QE2との関係では、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が15日の電子版で掲載
した「バーナンキ議長への公開書簡」が、為替市場で話題を集めた。
書簡の送り手には、スタンフォード大学のジョン・テーラー教授をはじめ英米大学の著
名教授やエコノミストらが名を連ね、「われわれは、米連邦準備理事会(FRB)の大規
模資産購入計画(量的緩和)は再検討を要し、打ち切られるべきであると信じる」と指摘。
「資産購入計画は通貨価値の低下とインフレを引き起こすリスクを内在する一方で、FR
Bが目的とする雇用促進には役立たない」との見解を明らかにした。
「われわれは、インフレ率は高めに誘導されるべきとの見解に反対する。また、景気回
復が始まって1年たった今も金利がゼロ付近に据え置かれている中で、資産購入を追加す
れば、金融市場を歪めるだけでなく、金利正常化に向けたFRBの将来的なプロセスを、
非常に複雑化する」とした。
他方、米リッチモンド地区連銀のラッカー総裁は14日、QE2はメリットよりリスク
の方が大きいと述べ、QE2に反対の立場を示唆した。ラッカー総裁は講演後、記者団に
対し「決定は下された。わたしは、リスクがメリットより大きいと考えた一人だった」と
述べた。
<ユーロ、クロス円>
ユーロ/ドルは、欧州連合(EU)圏の周縁国の財政問題がくすぶりつつ、先週末に売
られすぎた反動などから、午前の取引では買い戻しが優勢となり、一時1.3751ドル
まで買われた。10年物アイルランド国債と独連邦債の利回り格差が縮小したことも材料
視された。
しかし、午後に入って、ユーロの伸びは止まり、1.36ドル後半を中心とする値動き
となった。
「(ユーロは)また売られる。ショートカバーを巻き込みつつ確実に下値を下げており、
1.30ドルを切ってもおかしくない」(みずほコーポレート銀行国際為替部マーケット
エコノミスト、唐鎌大輔氏)との声もあった。
他方、午前の取引で上値が重かったクロス円は、東京時間の終盤にかけて、小幅に反発
した。
朝方は、「個人投資家は逆張りで、ユーロ/円、英ポンド/円、ドル/円の順番に売り
を先行させている」(外為証拠金取引会社)との指摘も聞かれた。
このほか、朝方発表されたニュージーランドの7─9月期小売売上高が市場予想を上回
ったことを背景に、NZドルが一時0.7784米ドルまで上昇した。 同国の統計局が
15日発表した第3・四半期の小売売上高は、物価変動の影響を除いた季節調整済みで前
期比0.7%増加した。前年同期比では3.0%増。 ロイターがまとめたエコノミスト
の予想中央値は、前期比0.3%増、前年比2.6%増だった。
英豪系鉱山大手のBHPビリトン
シュ・コーポレーション
下げた。予測されていたこともあり、為替市場は反応しなかった。
(ロイター 森佳子記者)