オークネット<3964>(東証プライム)は、前日7日に47円高の1847円と9営業日ぶり急反発して引け、11月16日につけた直近安値1765円に並ぶ水準から出直る動きを強めた。同社は、今年11月22日に今2022年12月期の期末配当の再増配を発表しており、今12月期業績自体が上方修正され連続して過去最高を更新することと合わせて見直され、増配権利取りと割安修正買いが再燃した。直近安値から2000円大台に乗せる過程で信用売り残・買い残とも積み上がり売り長となっていることも、株価後押しの好需給要因として意識されている。
■業績上方修正時の今年8月に続き期末配当を引き上げ年間配当は48円
同社の今期配当は、今年8月の今期第2四半期(2022年1月~6月期、2Q)累計決算発表時に今12月期業績の上方修正とともに期末配当が期初予想の22円から24円に引き上げられ年間47円(前期実績40円)に増配された。さらに11月に開示された今期第3四半期(2022年1月~9月期、3Q)業績が、上方修正された今12月期通期業績に対して高利益進捗したことから、連結配当性向30%を目安にする配当政策に従って期末配当をさらに25円に引き上げ年間配当の48円への再増配を予定している。同時に今年8月~9月に実施した自己株式公開買い付け(TOB、TOB価格1774円)で取得した自己株式150万株(発行済み株式総数の5.36%)の消却(予定日11月30日)も発表した。
今12月期業績は、売り上げ402億7000万円(前期比9.6%増)、営業利益64億8000万円(同10.8%増)、経常利益67億4300万円(同10.3%増)、純利益42億8800万円(同18.3%増)と見込み、連続の過去最高となる。今期3Q累計業績も、四輪事業でのライブオークションや落札代行サービスで主に輸出業者の落札物件が増加して取扱高が拡大し、コンシューマプロダクツ事業でも海外落札が増加したことから連続の2ケタ増益となり、12月期通期予想業績に対する利益進捗率は80%超と目安の75%を上回った。
■信用倍率は拡大均衡型で0.7倍と好転しPER11倍の割安修正に再チャレンジ
株価は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大でリユース関連株人気を高め、感染拡大の「第7波」で年初来高値2450円まで買われ、今年8月の今期業績の上方修正と1回目の増配では、ディスカウントされたTOB価格と綱引きして2050円まで調整し、リユース株人気の再燃とともに2384円までリバウンドした。同高値後は、3Q決算発表時に業績の再上方修正がなかった失望感で1765円まで再調整し、再増配と自己株式消却発表で2000円大台を回復した。この株価の上げ下げとともに信用売り残・買い残とも積み上がる拡大均衡型で信用倍率は0.75倍と好需給となっている。PERも11.9倍と市場平均を下回っており、売り方の買い戻しも交えて年初来高値2450円に再チャレンジしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)