[北京 10日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)が10日発表した1月の新規人民元建て銀行融資は4兆9000億元(7207億2000万ドル)で前月から大幅に増え、過去最高を更新した。
昨年12月は1兆4000億元、アナリストの予想は4兆元。 これまでの最高記録は2022年1月の3兆9800億元だった。
人民銀行は、厳格な新型コロナウイルス規制の解除後、景気の押し上げに動いている。年初は、銀行が優良顧客と市場シェアを確保するため、融資を増やす傾向があるが、1月の融資は前月の3倍以上に増加しており、市場では企業・消費者マインドが急速に改善しているとの期待が浮上している。
国泰君安国際のチーフエコノミストは「今回の統計は予想を上回った。年初の信用支援が引き続き強力だったことを示している」と指摘。「第1・四半期の大幅な景気回復に寄与するだろう。市場の次の焦点は春節休暇後の不動産販売だ。銀行融資との相関性が非常に高い」と述べた。
一方で国有銀行の関係者は、銀行は昨年第4・四半期から、信用供給を強化する政策指導によりローン組成強化への圧力を銀行は受けていたが、「実際の需要は弱い」との見方を示した。
住宅ローンを中心とする1月の家計向け融資は2572億元と、昨年12月の1753億元から増加。企業向け融資は1兆2600億元から4兆6800億元に急増した。
1月の新規の家計預金は6兆2000億元と、昨年12月の2兆8800億元から増加した。
マネーサプライM2の前年比伸び率は12.6%でアナリストの予想(11.6%)を上回った。昨年12月は11.8%だった。
1月末時点の元建て融資残高は前年比11.3%増加。昨年12月は11.1%増加、アナリスト予想は11.0%増だった。
通常の銀行融資に加え、新規株式公開、信託会社の融資、債券発行などを含む広義の与信・流動性を示す社会融資総量残高は前年比9.4%増の350兆9300億元だった。
1月の社会融資総量は5兆9800億元。昨年12月は1兆3100億元だった。ロイターがまとめた市場予想は5兆4000億元。