[ニューヨーク 22日 ロイター] - 米国株式市場は大幅下落して取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)は大半の予想通り0.25%ポイントの利上げを決定。最近の金融セクターの混乱を受け近く利上げを停止する可能性を示唆したものの、パウエル議長がインフレ抑制に向けたFRBのコミットメントを改めて表明したことを受け、引けにかけて売りが優勢になった。
主要株価3指数は連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表前は方向感なく推移し、予想通りの利上げ決定を受けて一時急上昇したが、FOMC声明やパウエル議長の発言が市場で消化されると下落に転じた。
インディペンデント・アドバイザー・アライアンスの最高投資責任者、クリス・ザッカレリ氏は「市場はFRBが(利上げ)完全停止を一時検討したと聞いて色めきだったが、パウエル議長がFRBに足かせはなく、必要に応じて利上げを継続すると言明したため失望した」と指摘した。
FOMC声明は「幾分の追加的な金融政策引き締めが適切になるかもしれない」と言及。ただ、「継続的な引き上げ」という文言は削除され、利上げ停止が近いことを示唆した。
パウエル氏は記者会見で、銀行システムを健全に保つためにあらゆる手段を用いる用意があると表明。一方で、インフレ率を2%に引き下げることに引き続き強くコミットするとも述べた。
CFRAリサーチのチーフ投資ストラテジスト、サム・ストバル氏は「投資家は今回の利上げ後にFRBが停止状態に入ると見込んでいたのかもしれない。このため、あと1─2回は利上げを継続するとの見通しに失望感を示した」と述べた。
イエレン米財務長官が、連邦預金保険公社(FDIC)の預金保険対象を全ての預金に拡大することは検討されていないと述べたことも、売り材料視された。
S&P総合500種の主要11セクターが軒並み下落。不動産株が下落率トップとなり、昨年9月13日以来の大幅な下落を記録した。
銀行株は反落し、3.7%安で終了。KBW地方銀行株は5.3%安となった。
中堅銀行ファースト・リパブリック・バンクは規模縮小あるいは政府支援が必要になるとの懸念で売られ、15.5%急落。
ゲーム販売の米ゲームストップは35.2%上昇。第4・四半期(1月29日終了)が予想外に黒字転換したことを受けた。
スポーツ用品大手ナイキは4.9%下落。通年の売上高見通しを引き上げたが、利益率への下押し圧力について警告したことが嫌気された。
米取引所の合算出来高は118億4000万株。直近20営業日の平均は127億株。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.25対1の比率で上回った。ナスダックでも2.57対1で値下がり銘柄数が多かった。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 32030.11 -530.49 -1.63 32570.19 32761.89 32020.46
前営業日終値 32560.60
ナスダック総合 11669.96 -190.15 -1.60 11857.50 12013.99 11666.85
前営業日終値 11860.11
S&P総合500種 3936.97 -65.90 -1.65 4002.04 4039.49 3936.17
前営業日終値 4002.87
ダウ輸送株20種 13709.71 -284.26 -2.03
ダウ公共株15種 890.74 -18.36 -2.02
フィラデルフィア半導体 3091.71 -25.18 -0.81
VIX指数 22.26 +0.88 +4.12
S&P一般消費財 1106.94 -24.90 -2.20
S&P素材 480.84 -8.61 -1.76
S&P工業 819.46 -15.92 -1.91
S&P主要消費財 752.38 -7.46 -0.98
S&P金融 519.70 -12.63 -2.37
S&P不動産 219.01 -8.28 -3.64
S&Pエネルギー 604.56 -13.04 -2.11
S&Pヘルスケア 1468.05 -22.29 -1.50
S&P通信サービス 184.88 -3.05 -1.62
S&P情報技術 2504.44 -23.18 -0.92
S&P公益事業 327.02 -6.60 -1.98
NYSE出来高 10.71億株
シカゴ日経先物6月限 ドル建て 27050 - 180 大阪比
シカゴ日経先物6月限 円建て 26980 - 250 大阪比