[ニューヨーク 6日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルが一時6カ月ぶり高値を更新した。一時は下落していたものの、米ISM非製造業指数が予想外に強い内容となり、根強いインフレ圧力を示唆したことを受け、切り返した。ただ、午後に入り商いが薄くなると、上げを一部削る展開となった。
終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.1%高の104.84。一時、6カ月ぶりの高値となる105.03を付けた。
ユーロとポンドは対ドルで一時3カ月ぶり安値に沈んだものの、終盤は、ユーロ/ドルは横ばいの1.0726ドル、ポンド/ドルは0.5%安の1.2505ドル。
米供給管理協会(ISM)が6日発表した8月の非製造業総合指数は54.5に上昇し、2月以来の高水準となった。新規受注が堅調に推移したほか、価格指数も上昇した。市場予想は52.5だった。53.9を超える数値を予想するエコノミストはいなかった。
マネックスUSAのFXトレーダー、ヘレン・ギブン氏は「米経済がG10の他の大半の国々と比べはるかに好調を維持していることは明らかで、景気後退に陥るリスクはかなり低い」と述べた。
CMEのフェドウオッチによると、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが実施される確率は48.4%、12月会合は46.6%。5日時点では11月が45.2%、12月が43.5%だった。
しかし、米連邦準備理事会(FRB)当局者の発言はここ数日、ハト派的なトーンとなっている。ボストン地区連銀のコリンズ総裁は6日、インフレ抑制に前進の兆しが出ているとしながらも、FRBは金融政策の次の動きを慎重に決定していかなければならないとの考えを示した。
ドル/円は147.69円。円は一時、11月4日以来の安値となる147.82円を付けた。また、神田真人財務官が、急激な為替変動が続いた場合は「あらゆる選択肢」を排除せず、適切に対応する考えを示したことを受け、147.02円まで上昇する場面もあった。
また、6日公表された米地区連銀経済報告(ベージュブック)で、7月から8月にかけ、経済成長は控えめで、雇用の伸びも全米で抑制されていたという認識が示されたが、ドルは反応薄だった。
ドル/円 NY終値 147.65/147.67
始値 147.36
高値 147.74
安値 147.14
ユーロ/ドル NY終値 1.0727/1.0728
始値 1.0737
高値 1.0748
安値 1.0704