[ニューヨーク 26日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドル指数が小幅に上昇した。第3・四半期の米国内総生産(GDP)が約2年ぶりの高い伸びを示したことを受けた。
米商務省が26日発表した2023年第3・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比4.9%増と、21年第4・四半期以来約2年ぶりの高い伸びとなった。景気後退懸念にもかかわらず、底堅い労働市場を背景に堅調な個人消費が主導し、市場予想の4.3%増も上回った。
ドル指数は小幅高の106.58。序盤には106.89と約3週間ぶりの高値を付けた。
ジェフリーズのグローバル外為部門責任者、ブラッド・ベクテル氏は「米国は経済面で何とか持ちこたえており、インフレもやや頑強に推移しているという見方が強まっている」とし、これがドルを支援していると述べた。
UBSグローバル・ウエルス・マネジメントのシニアエコノミスト、ブライアン・ローズ氏はメモで「第3・四半期GDPの好調な結果は、一方では良好なデータ、他方では金利上昇と連邦準備理事会(FRB)による一段の制約的な政策実施という見通しという市場の緊張を強めるもの」と指摘。「米経済は冷え込んでいるが崩壊はしておらず、金利によるショックが終息したと投資家が確信するまで、市場の動揺は続くだろう」とした。
一方、欧州中央銀行(ECB)は26日の理事会で、政策金利の据え置きを決定、25年の歴史で最長となった連続利上げを打ち切った。最新のデータではインフレ率が目標の2%に向かって緩やかに低下していることを引き続き示しているとの見解を示した。
INGのFXストラテジスト、フランチェスコ・ペソーレ氏は「声明は9月のものとよく似ている。明らかにECBはインフレ低下の事実を認めざるを得なかった。それは予想通りだったが、結局のところ、インフレ率はなお高すぎると言い、ある種のタカ派的なバイアスにしがみつこうとしている」と述べた。
ユーロ/ドルは0.03%安の1.0564ドル。
日本円は1ドル=150.78円と1年ぶりの安値を付けた。
鈴木俊一財務相は26日午前、財務省内で記者団に対し、為替相場について「従来の方針通り緊張感を持って動向を注視する」と述べた。
豪ドル/米ドルは0.3%高の0.633米ドル。序盤には1年ぶりの安値0.6271米ドルを付けた。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.2%安の3万4084ドル。
ドル/円 NY終値 150.38/150.41
始値 150.26
高値 150.50
安値 150.09
ユーロ/ドル NY終値 1.0560/1.0564
始値 1.0537
高値 1.0564
安値 1.0524