[ニューヨーク 27日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドル指数が下落した。ポートフォリオのリバランスが影響した。ただ週間では米経済の堅調な足取り維持を示す経済指標を背景に上昇する見込みとなった。
米商務省が27日発表した9月の個人消費支出(PCE)は前月比0.7%増で、8月(0.4%増)から予想以上に伸びが加速し、市場予想の0.5%増を上回った。
ドル指数は0.07%安の106.5。アナリストによると、ポートフォリオのリバランスを目的とした取引が影響したという。一方、ドル指数は週間で0.4%上昇した。
CIBCキャピタル・マーケッツの北米FX戦略責任者、ビパン・ライ氏は「今月は月末のフローがあり、特定の時点で優位になる傾向がある。その一部は今日のドルの値動きに反映されているのだろう」と指摘。ドルは7─9月期に大きく上昇した後、比較的堅調な米経済指標にもかかわらず、一段高に苦戦しているとし、「少なくとも短期的には、ドルが少し買われ過ぎているというシグナルがいくつか出ている」とした。ただドルは引き続き堅調に推移すると見込んでいる。
また来週には連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀の金融政策決定会合を控えており、「この2つの重要なリスクイベントが一段落するまではポジションの積み上げは理にかなわない」とした。
27日の米金利先物市場で、連邦準備理事会(FRB)が2024年にかけ金利を据え置くという観測が強まった。この日発表された9月のPCE価格指数がインフレ鈍化の兆候を示唆したことに反応した。
ユーロ/ドルは0.12%高の1.0573ドル。
豪ドル/米ドルは0.25%高の0.6338米ドル。
ドル/円は0.6%安の149.515円だった。
鈴木俊一財務相は27日の閣議後会見で、為替円安に対し「引き続き強い緊張感を持って万全の対応を行なっていく」との考えを示した。為替はファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を反映して安定的に推移することが重要で、過度な変動は望ましくないとの認識も示した。
ラボバンクのFX戦略責任者、ジェーン・フォーリー氏は「日銀が10月31日の金融政策決定会合でマイナス金利からの脱却を試みるとの見方は市場にはほとんどない」と指摘。「対照的にイールドカーブ・コントロールに新たな微調整が加えられるかについては市場の見方は分かれている」と述べた。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.7%安の3万3584ドル。