[ニューヨーク 13日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが円やユーロに対し急落した。米連邦準備理事会(FRB)が13日までに開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、今回の利上げサイクルが終了し、来年に利下げに着手する可能性を示唆したことに反応した。
FRBは大方の予想通り、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を5.25─5.50%で据え置いた。据え置きは3会合連続。同時に発表した最新の金利・経済見通しでは、19人の政策担当者のうち17人が2024年末には政策金利が現在よりも低下するとの予想を示した。
コーペイのチーフマーケットストラテジスト、カール・シャモッタ氏は「FRBは決定的にハト派に転じ、政策緩和を期待する市場の強気派を刺激した」と述べた。
FOMC後、米金利先物市場ではFRBが来年3月に利下げを開始する確率が77%に上昇した。5月までの利下げ確率も94%となった。
終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.83%安の102.89と、11月30日以来の安値を付けた。
ユーロ/ドルは0.80%高の1.0882ドル。一時、今月1日以来の高値となる1.08970ドルを付けた。また、1日としては11月14日以来最大の伸びを記録する勢い。
ドル/円は1.67%安の143.03円と、8日以来の安値となった。
パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で、見通しの不透明さを指摘し、政策当局者が利下げを視野に入れる中でも、現時点では利上げを明確に否定することはできないと表明。「政策金利が引き締めサイクルのピークに達したか、その近くにあると考えている」としながらも、経済の予測不可能な性質を踏まえると、FRB当局者は「一段の利上げが適切になる可能性は低いと考えると同時に、その可能性を排除したくない」と述べた。
アネックス・ウェルス・マネジメントのチーフエコノミスト、ブライアン・ジェイコブセン氏は「パウエル議長の一時停止は来年5月までしか続かない可能性がある。重要な問題は、FRBが利下げできるから利下げするのか、それとも利下げしなければならないから利下げするのかだ」と述べた。
FOMCをこなしたことで、市場の注目は14日に開催される欧州中央銀行(ECB)やイングランド銀行(英中銀)などの金融政策決定会合にシフトしている。日銀は18─19日に金融政策決定会合を開く。
暗号資産(仮想通貨)ではビットコインが2.87%高の4万2642ドル。
ドル/円 NY終値 142.88/142.89
始値 145.61
高値 145.73
安値 142.65
ユーロ/ドル NY終値 1.0873/1.0877
始値 1.0783
高値 1.0896
安値 1.0780