[ニューヨーク 15日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが上昇した。米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が市場の利下げ期待をけん制したことを受けた。ただ、週間では1カ月ぶりの大幅な下げとなった。
ウィリアムズ総裁は15日、連邦準備理事会(FRB)の利下げについて語るのは時期尚早と述べ、市場で高まっている利下げ観測をけん制。FRBは引き続き、インフレ率の2%回帰に向け金融政策が正しい道筋をたどっているか否かに焦点を当てていると述べた。
CIBCキャピタル・マーケッツのFX戦略北米責任者、ビパン・ライ氏は「今週のパウエルFRB議長の発言と似たようなトーンだが、FRBは依然としてデータに非常に依存しており、市場がある程度織り込んでいる見方を支持しているわけではないという事実を補強している」と指摘。今週のドルの動きの大部分は、対円など特定の通貨ペアに集中し、大きくドル買いに傾いていたポジションのリバランスによるものだと述べた。
市場では積極的な利下げ期待が織り込まれており、来年3月に利下げが開始され、12月までに141ベーシスポイント(bp)の利下げが実施されると見込まれている。
米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は15日、インフレ率が予想通り低下すれば、2024年の「第3・四半期には」FRBは利下げを開始できると述べた。
米シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は、インフレ率が目標の2%に戻りつつある中、FRBは政策の焦点を物価から雇用に移す必要が出てくる可能性があるとの考えを示した。
FRBが15日発表した11月の鉱工業生産指数は、製造業の生産指数が0.3%上昇となった。全米自動車労働組合(UAW)のストライキ終結を受け、自動車生産台数が部分的に回復したことが寄与した。ただ、他部門は低調で、エコノミスト予想0.4%上昇には届かなかった。
ドル指数は前日比0.56%高の102.52。前日には101.76まで下落し8月10日以来の安値となった。週間では1.39%安と11月19日以来の大幅安を記録した。
ユーロ/ドルは0.83%安の1.0899ドル。前日には1.1009ドルと11月29日以来の高値を付けた。ポンド/ドルは0.60%安の1.2690ドル。前日には1.2793ドルと8月22日以来の高値を付けた。
S&Pグローバルがまとめた12月のユーロ圏のHCOB総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は47.0と、前月の47.6から予想外に低下したこともユーロを押し下げた。
ドル/円は0.24%高の142.18円。前日には140.95円と7月31日以来の安値を付けた。週間では1.94%安と7月14日以降で最大と下げとなる勢い。
暗号資産(仮想通貨)では、ビットコインが2.1%安の4万2130ドル。
ドル/円 NY終値 142.15/142.18
始値 141.73
高値 142.44
安値 141.44
ユーロ/ドル NY終値 1.0894/1.0897
始値 1.0968
高値 1.0969
安値 1.0890