[ニューヨーク 17日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドル指数が約1カ月ぶりの高値を付けた。堅調な米小売売上高で米経済の力強さが示され、早期利下げ観測が後退した。
ドル/円は一時148.52円と、11月28日以来の高値を更新。終盤の取引では0.71%高の148.23円。
商務省発表の12月の小売売上高(季節調整済み)は前月比0.6%増と、市場予想の0.4%増を上回った。
市場では米連邦準備理事会(FRB)は3月に利下げに着手する可能性が高いの見方は変わっていないが、CMEフェドウオッチによると、最初の0.25%ポイントの利下げが実施される確率は53.2%と、前日の65.1%から低下した。
コーペイ(トロント)のチーフ・マーケット・ストラテジスト、カール・シャモッタ氏は 「今回の小売統計で全ての部門で個人消費が伸びていることが確認された」と指摘。「このことは、基調的なインフレ圧力が長期化する可能性を示唆している」とし、「政策担当者が市場で出ている利下げ観測をけん制し、最初の利下げの時期を年央まで後ずれさせると同時に、利下げペースは予想より緩慢になる市場に伝えようとしていることとも一致している」と述べた。
主要6通貨に対するドル指数は0.12%高の103.42。一時は103.69と、昨年12月13日以来の高水準を付けた。
前日はウォラーFRB理事が、インフレ目標の達成は「射程圏内」にあるとの見方を示しながらも、インフレ率の低下が持続すると明確になるまで利下げを急ぐべきでないと発言。これを受け、前日の取引でドルは0.67%上昇した。1日の上昇率としては1月3日以来の大きさとなる。
FRBがこの日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、前回報告以来、経済活動は大半の地区でほぼ横ばいとの見方が示された。
ドルは人民元に対しオフショア市場で1ドル=7.2321元と、2カ月ぶり高値を付けた。中国国家統計局が17日発表した2023年第4・四半期の国内総生産(GDP)は前年比5.2%増加した。第3・四半期の4.9%から加速したが、アナリスト予想の5.3%増をわずかに下回った。
ユーロ/ドルは0.01%安の1.0873ドル。
欧州中央銀行(ECB)当局者から早期利下げ観測をけん制する発言が相次いでいるにもかかわらず、前日の0.67%に続く下落となった。
英ポンド/ドルは0.32%高の1.268ドル。英国の昨年12月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比4%となり、10カ月ぶりに加速した。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.9%安の4万2603ドル。
ドル/円 NY終値 148.15/148.17
始値 147.67
高値 148.52
安値 147.60
ユーロ/ドル NY終値 1.0881/1.0885
始値 1.0877
高値 1.0882
安値 1.0845