[ニューヨーク 15日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが全面安。15日発表された一連の米指標は強弱まちまちの内容となったものの、米連邦準備理事会(FRB)が6月に利下げを開始する道筋に変更はないもよう。
終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.4%安の104.28。
1月の米小売売上高は前月比0.8%減と、マイナスに転じ、昨年3月以来10カ月ぶりの大幅な落ち込みとなった。市場予想は0.1%減だった。
他の米指標では、10日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)が8000件減の21万2000件となった。市場予想は22万件だった。1月の鉱工業生産指数は、製造業の生産指数が前月比0.5%低下した。エコノミスト予想は横ばい。厳しい冬季の天候が影響した可能性がある。
ジェフリーズのグローバルFX責任者ブラッド・ベクテル氏は「市場は引き続き日ごとのデータに注目しているが、状況は何ら大きく変化していない」と述べた。また、ドルは最近の上昇を受けて値固めの展開になっていると指摘した。
ドル/円は0.4%安の149.92円。
内閣府が15日発表した2023年10─12月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質(季節調整値)が前期比0.1%減と、2四半期連続でマイナスとなったものの、円は上昇した。
ドル/スイスフランは0.6%安の0.8798フラン、ユーロ/ドルは0.4%高の1.0768ドル、ポンド/ドルは0.3%高の1.2595ドル。
ただ、マッコーリーの世界金利・為替ストラテジスト、ティエリー・アルバート・ウィズマン氏は、ドルの下落が一時的となる可能性があると指摘。「米国がアウトパフォームし、他国とのかい離が続く限り、ドルの勢いが近く逆転する理由はない」と述べた。
LSEGのデータによると、金融市場では、FRBが6月に利下げを開始する確率を83%と織り込んでいるほか、年内に0.25%ポイントの利下げが3─4回実施されるという見方が織り込まれ、数週間前の5回程度から減少した。
ドル/円 NY終値 149.91/149.93
始値 150.06
高値 150.24
安値 149.55
ユーロ/ドル NY終値 1.0771/1.0775
始値 1.0734
高値 1.0784
安値 1.0736