[ニューヨーク 23日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドル指数がほぼ横ばいとなった。ただ週間ベースでは年初来初めて下落。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測の後ずれを反映し約2カ月にわたり上昇してきたが、ここにきて一服感が出ている。
主要6通貨に対するドル指数は103.93と、ほぼ横ばい。ただ週初からは0.34%下落した。ドル指数は昨年12月28日に5カ月ぶり安値(100.61)を付けた後、2月14日に3か月ぶり高値(104.97)を付けている。
市場ではFRBが利下げに着手する時期の予想が5月から6月に後ずれしたほか、想定される利下げ幅が大幅に縮小。FRB当局者は年内に3回の0.25%ポイントの利下げが実施されるとの見方を示していたが、これに対し市場では最大7回の利下げが実施されるとの予想が織り込まれていた。
バノックバーン・グローバル・フォレックス(ニューヨーク)のチーフ・マーケット・ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「市場の見方がFRB当局者の見解に向けて収束していったことが、今年に入ってからのドルの上昇の背景にあった」と指摘。「3月8日に発表される2月の雇用統計から経済指標の弱体化が始まる可能性がある」と述べ、外為市場で米経済指標が鈍化し始める可能性が織り込まれつつあるとも指摘した。
来週発表される個人消費支出(PCE)がFRBの金融政策の行方の手がかりになる可能性がある。
終盤の取引でユーロ/ドルはほぼ横ばいの1.0822ドル。
ドル/円は0.04%安の150.45円。
円は今年、G10通貨で最もパフォーマンスが悪く、対ドルで6.7%下落。バンク・オブ・アメリカ(BofA)グローバル・リサーチのG10外為戦略のグローバル責任者、アタナシオス・バムバキディス氏は「ドルが対円で下落するには、FRBが利下げに踏み切る必要がある」としている。
暗号資産(仮想通貨)ではビットコインが1.01%安の5万1122ドル。
ドル/円 NY終値 150.50/150.53
始値 150.64
高値 150.66
安値 150.30
ユーロ/ドル NY終値 1.0818/1.0822
始値 1.0827
高値 1.0839
安値 1.0813