アドバネクス (T:5998)は、1946年11月に設立された大手精密ばねメーカー。
2001年7月に、社名を(株)加藤スプリング製作所から現在の名称に変更した。
また、2004年3月に、上場市場を東証2部から1部へ指定替えした。
優れた技術力と開発力により、1980年代から2000年度にかけて国内もしくは世界市場でトップシェアを獲得する製品を輩出した。
それらには、音楽テープ用テープパッド、ビデオテープ用リーフスプリング、3.5インチフロッピーディスク用シャッター、携帯電話用ヒンジ、光ディスク用センターハブなどがある。
その後、対象市場を、日本のセットメーカーが競争力を失ったAV機器や通信端末から、より安定的な需要が見込める自動車市場に移行している。
世界のトップ企業を対象に、大手ばねメーカーと競合せず、中小メーカーと熾烈な価格競争をしないですむ市場と地域でビジネスを行う、“グローバルニッチ”企業というポジショニングでブルーオーシャン戦略を取っている。
顧客の要望に応えられる製品開発力、一貫生産システム、加工工法の転換によるコストダウンと品質向上、顧客の要求する地域で生産・納入するグローバル拠点により、持続的な成長を図る。
第3の柱として医療・インフラを育成している。
医療機器分野では、採血・点滴をする際に使用される医療器具に内蔵される留置針用コイルばねで、60%の国内シェアを持つ。
また、NAS3350(米国宇宙航空規格)に準拠しているばね「ロックワン」は、鉄道総研が行った鉄道レールのボルト・ナットの緩み止め器具のテストで最高の結果を出した。
商社経由やネット通販事業の拡大を図る「規格品戦略」の主要製品となる。
事業の選択と集中を進める一環として、2015年3月末にプラスチック事業を行う連結子会社の全株式を売却した。
一方、金属プレス加工分野で日本一の細物深絞り加工技術を有する船橋電子(株)を買収し、2015年4月に事業統合を行った。
この結果、2016年3月期以降は、コア事業の精密ばね事業に特化することになった。
2016年3月期第2四半期の業績は、プラスチック事業がなくなったことから、売上高は前年同期比30.4%減の9,924百万円、営業利益が同27.0%減の366百万円となった。
精密ばね事業だけを比較すると、前年同期比11.6%の増収、19.5%の営業増益であった。
期初予想比では、売上高が4.5%増、営業利益が1.7%増と見込みどおりの着地となった。
2016年3月期通期の予想は据え置かれた。
予想売上高は19,800百万円、営業利益が880百万円となり、プラスチック事業を除いたベースとの比較では、7.3%の増収、26.1%の増益となる。
2015年度から2019年度をカバーする中期経営計画“Breakthrough to 2020”では、「金属加工総合メーカーへの挑戦」をメインテーマとする。
最終年度の2020年3月期の数値目標として、連結売上高35,000百万円、営業利益4,000百万円を掲げている。
注力領域は、市場の成長性が高く、同社の競争力が強い自動車機器、医療機器、インフラ/住設機器となる。
今秋に、埼玉県本庄市に省力化と自動化を図った自動車部品専用の「スマートファクトリー」が竣工しており、来年始めには稼働する予定だ。
また、メキシコに第2工場の新設計画やインドネシアの部品メーカーへの出資を発表するなど、海外の生産・販売拠点の拡充も着々と進めている。
■Check Point ・医療機器用の精密ばねと航空機・自動車向け締結用補強部品が主力 ・医療機器向けはセルフケアの進展で使い捨て器具の需要増が見込める ・幅広いユーザーを対象とした規格品ビジネスにも注力 (執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
2001年7月に、社名を(株)加藤スプリング製作所から現在の名称に変更した。
また、2004年3月に、上場市場を東証2部から1部へ指定替えした。
優れた技術力と開発力により、1980年代から2000年度にかけて国内もしくは世界市場でトップシェアを獲得する製品を輩出した。
それらには、音楽テープ用テープパッド、ビデオテープ用リーフスプリング、3.5インチフロッピーディスク用シャッター、携帯電話用ヒンジ、光ディスク用センターハブなどがある。
その後、対象市場を、日本のセットメーカーが競争力を失ったAV機器や通信端末から、より安定的な需要が見込める自動車市場に移行している。
世界のトップ企業を対象に、大手ばねメーカーと競合せず、中小メーカーと熾烈な価格競争をしないですむ市場と地域でビジネスを行う、“グローバルニッチ”企業というポジショニングでブルーオーシャン戦略を取っている。
顧客の要望に応えられる製品開発力、一貫生産システム、加工工法の転換によるコストダウンと品質向上、顧客の要求する地域で生産・納入するグローバル拠点により、持続的な成長を図る。
第3の柱として医療・インフラを育成している。
医療機器分野では、採血・点滴をする際に使用される医療器具に内蔵される留置針用コイルばねで、60%の国内シェアを持つ。
また、NAS3350(米国宇宙航空規格)に準拠しているばね「ロックワン」は、鉄道総研が行った鉄道レールのボルト・ナットの緩み止め器具のテストで最高の結果を出した。
商社経由やネット通販事業の拡大を図る「規格品戦略」の主要製品となる。
事業の選択と集中を進める一環として、2015年3月末にプラスチック事業を行う連結子会社の全株式を売却した。
一方、金属プレス加工分野で日本一の細物深絞り加工技術を有する船橋電子(株)を買収し、2015年4月に事業統合を行った。
この結果、2016年3月期以降は、コア事業の精密ばね事業に特化することになった。
2016年3月期第2四半期の業績は、プラスチック事業がなくなったことから、売上高は前年同期比30.4%減の9,924百万円、営業利益が同27.0%減の366百万円となった。
精密ばね事業だけを比較すると、前年同期比11.6%の増収、19.5%の営業増益であった。
期初予想比では、売上高が4.5%増、営業利益が1.7%増と見込みどおりの着地となった。
2016年3月期通期の予想は据え置かれた。
予想売上高は19,800百万円、営業利益が880百万円となり、プラスチック事業を除いたベースとの比較では、7.3%の増収、26.1%の増益となる。
2015年度から2019年度をカバーする中期経営計画“Breakthrough to 2020”では、「金属加工総合メーカーへの挑戦」をメインテーマとする。
最終年度の2020年3月期の数値目標として、連結売上高35,000百万円、営業利益4,000百万円を掲げている。
注力領域は、市場の成長性が高く、同社の競争力が強い自動車機器、医療機器、インフラ/住設機器となる。
今秋に、埼玉県本庄市に省力化と自動化を図った自動車部品専用の「スマートファクトリー」が竣工しており、来年始めには稼働する予定だ。
また、メキシコに第2工場の新設計画やインドネシアの部品メーカーへの出資を発表するなど、海外の生産・販売拠点の拡充も着々と進めている。
■Check Point ・医療機器用の精密ばねと航空機・自動車向け締結用補強部品が主力 ・医療機器向けはセルフケアの進展で使い捨て器具の需要増が見込める ・幅広いユーザーを対象とした規格品ビジネスにも注力 (執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)