英ポンドは本日、英国の良好な経済指標とパウエル米連邦準備制度理事会（FRB）議長のハト派的な発言を好感し、対米ドルで2022年3月以来の高水準に急伸した。英ポンドは0.7％上昇して1.3185ドルとなり、13カ月ぶりのピークである1.3144ドルを上回った。
主要6通貨バスケットに対するドル指数は0.5％下落した。この下落は、パウエル議長が労働市場のさらなる弱体化を防ぐための政策転換を示唆し、利下げの可能性を示唆する発言をした後のことだった。
この発言により、トレーダーは連邦準備制度理事会（FRB）の9月会合で50ベーシスポイントの大幅な利下げが行われると予想している。
ポンドは堅調に推移しており、今年最も堅調な主要通貨のひとつとなっている。最近の経済データは予想を上回り、イングランド銀行（BOE）が金利を当面引き下げる必要がないことを示唆している。
英国の消費者信頼感は8月もほぼ3年ぶりの高水準を維持し、最近の調査では、英国の企業活動が月間で上昇し、コスト圧力が過去3年以上で最低となったことが明らかになった。
高インフレと低成長への懸念がリズ・トラス前首相の経済戦略によって深刻化し、国の財政安定が脅かされた2022年後半から、この良好な軌道は大きく回復した。
ポンドは2022年9月に史上最安値の1.0327ドルまで急落したが、その後約27％回復した。とはいえ、2007年の世界金融危機前のピークと比べると、まだ38％ほど低い。
今後の注目は、アンドリュー・ベイリーBOE総裁の講演に移るが、市場は積極的なハト派的な動きは予想していない。アナリストは、英国がインフレに関して自信を深める必要性を強調している。
パウエル議長の発言を受け、ユーロも対ポンドで弱含み、ユーロ／ポンド・ペアは3週間ぶりの安値となる0.3％安の1ユーロ＝84.66ペンスまで下落した。
BOEは8月上旬に銀行金利を5.25％から5.00％に引き下げた。市場の予測では、BOEは今年中に少なくともあと1回の利下げを実施し、FRBは年内の残り3回の会合でそれぞれ少なくとも25ベーシスポイントの利下げを実施すると予想されている。
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