ドル/円
正午現在 76.76/82 1.3850/53 106.34/39
午前9時現在 76.69/75 1.3880/82 106.47/52
NY17時現在 76.74/79 1.3881/86 106.40/45
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[東京 16日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点とほ
ぼ同じ76円後半。欧州金融機関のドル調達懸念が和らぎ、ニューヨーク市場ではユーロ
が買われたが、アジア時間に入るとEU(欧州連合)財務相非公式理事会前の持ち高調整
で弱含んだ。ドル/円は材料不足で76円後半を方向感なくさまよった。
<中銀のドル供給は応急処置>
前日に日米欧の中央銀行が協調して年末越えのドル資金を供給することで合意したこと
を受け、一部の欧州銀が当面のドル資金確保先として依存度を高めている為替スワップ取
引では、ユーロをドルに交換する際に支払う上乗せ金利が大幅に低下した。「欧州だけで
は問題を収拾できなくなりつつある中、中銀同士が連携しているというメッセージも発信
できたことに意味がある。タイミングが絶妙」(みずほ証券のFXストラテジスト、鈴木
健吾氏)との声が聞かれるなど、市場の安心感につながった。
しかし今回の協調行動について、市場では応急処置にすぎないとみる向きが多い。「足
元の混乱は収拾できるが、ギリシャ問題という根本的な不安要因を取り除いたわけではな
い」(国内銀行)という。
合意を受けて前日のニューヨーク市場ではユーロが1週間ぶりの高値1.3937ドル
まで上昇したものの、アジア時間に入ると動意を失い、16─17日開催のEU財務相非
公式会合を控えて小緩んだ。「(前日は)不安がある中での戻し幅としてはかなり大きい。
(アジア時間は理事会を)見極めたいというムードになって、ユーロは戻り売りになる
だろう」(みずほ証券の鈴木氏)という。
<レートチェックのうわさ>
ドル/円は76円後半でこう着した。前日のニューヨーク市場では、日銀が取引を前提
に金融機関にレート提示を求めるレートチェックを実施したとのうわさを手掛かりに、
77.33円まで上昇した。実際にレートチェックがあったかどうかは不明。一部の国内
銀行からは「レートチェックではなかった。(日銀が)注文状況や値動きを聞く、いわゆ
るヒアリングだった」との声が出ていた。
ドル/円は過去最安値からののりしろが1円未満の水準で推移しており、いつ(レート
チェックが)あってもおかしくない」(国内金融機関)との声が聞かれるなど、市場は介
入を含めた政府・日銀の対応に警戒感を強めている。
(ロイターニュース 久保 信博記者)