[10日 ロイター] - ロシア中央銀行は9日、財務省に代わって行っている外貨買入れを10日から年末まで休止すると発表した。通貨ルーブルの下落を防ぐ狙いがあるが、財務省は予算規則を事実上停止することになる。
10日の外為市場では、ルーブルが対ドルで上昇した。前日は1ドル=98.0725ルーブルまで下落し、2022年3月25日以来の安値を付けていた。
中銀は予算規則に関連した財務省の業務に基づく国内市場での外貨買い入れを、10日から23年末まで行わないことを決定したとの声明を発表した。
「この決定は金融市場のボラティリティーを下げることが狙いだ」と説明した。
ロシア政府は石油・ガス輸出からの収入が不足した場合、予算規則に基づき、石油収入の一部を積み立てている政府系ファンド「ナショナル・ウェルス・ファンド(NWF)」が保有する外貨を売却して穴埋めする。収入超過なら外貨を買い入れる。中銀が財務省に代わって実務を担当している。
プロムスビャジバンクのアナリストは、ロシア中銀が為替レートの動きに懸念を抱いていることを示すものだが、この措置だけではさらなるルーブル安を防ぐには不十分と指摘。
「為替市場の状況を安定させるための新たな措置が打ち出される可能性がある」との見方を示した。
アナリストからは、大きな変化をもたらすにはより大胆な行動が必要との声が聞かれた。
ロッコー・インベストの投資責任者ドミトリー・ポレボイ氏は「規模からすればこれらの措置は中途半端ですらなく不十分だ」と述べた。