■事業概要
1. 販売戦略
(1) 販売方法の概要
マルコ (T:9980)は株式公開前の1991年に信光産業から営業譲渡を受けて、それまでの製造・卸売から直営店舗での小売販売へと切り替えた。
同社の販売戦略の特徴は“紹介営業”と“店頭販売”の2つだ。
紹介営業は、“顧客に高い満足度を与えることができればそこから次の顧客を紹介してもらえる”、“紹介による顧客開拓は広告に勝る”という創業者の強い思いが込められた結果だ。
一方、店頭販売へのこだわりは体型補整下着の商品特性に根差している。
同社では体型補整下着を販売して終わりというのではなく、3ヶ月を目途に週1回~10日に1回のペースで来店してもらい、下着の装着の仕方(すなわちボディメイクの仕方)を指導しながら販売している。
顧客は予約の上で来店し、店舗ではフィッティングルームで店員が2人がかりで指導するという体制だ。
同社が販売においてそれだけ時間をかけるのは、下着による体型補整には一定の技術を伴わないと効果が出にくく、顧客に満足度を提供できないためだ。
(2) 店舗の運営
同社は2017年3月末現在、全国に215店舗を展開している。
このうち199店舗が主要顧客層である若年層(20代~30代前半)をターゲットとする既存店舗で、16店舗が35歳以上のミドルエイジ層(35歳以上)をターゲットとした「シャルム・ドール」ブランドの店舗となっている。
同社の店舗は既存会員もしくは既存会員から紹介を受けた新規客が、予約の上で来店するため、路面店である必要はない。
駅から多少離れたビルの上階に位置する、いわゆる空中店舗が中心となっている。
店舗は店長以下正社員とパートを含めて8名で運営されるのが一般的となっている。
同社の店舗スタッフは100%同社の体型補整下着の利用者だ。
すなわち顧客を勧誘して店舗スタッフとしている。
紹介販売への創業者のこだわりが、店づくり・人材確保にまで徹底されているということだ。
同社は全国に215店舗(2017年3月末現在)を擁している。
同社が地方中心に多店舗展開するのは、地方の方が大都市圏に比べて販売が好調だという現実があるためだ。
後述するように、体型補整下着のライバルは同業他社に限らない。
フィットネスクラブやエステティックサロンも代替関係にあるためライバルと言える(ただしこの点については。
別な解釈も可能と弊社では考えている)。
地方ではそうした異業種との競合が相対的に少ないことが背景にある。
また、購買力の面でも地方が有利な現実がある。
大都市圏の1人暮らしのOLよりも地方の自宅通勤のOLの方が可処分所得が多いためだ。
(3) 顧客
同社では顧客会員数は50万人を超えている。
しかし、出産などを機に体型補整下着の利用を止めてしまう顧客も多く、現状で継続的に同社製品を利用しているアクティブ会員の数は2017年3月期実績ベースで56,796人となっている。
同社の顧客は20代~30代前半の若年層が中心だ。
独身の若い女性の方が体型に対する意識が高いことが背景にあると考えられる。
そうした若者中心の顧客も、結婚や出産を機に体型補整下着の利用を止める傾向がある。
体型維持への意識の低下や可処分所得の減少などが要因と考えらえる。
そうしたなか同社は2008年にミドルエイジ層向け商品ラインを整え、2011年に専用店舗ブランド「シャルム・ドール」の展開に踏み出した。
ターゲットは、現在は使用を止めている40代~50代の元顧客だ。
この層を掘り起こしたうえで、紹介営業によって同年代の新規顧客開拓につなげるという戦略だ。
2017年3月末時点では全国に16店舗を擁しており、進出以来店舗数は右肩上がりで増加している。
ミドルエイジ層向け販売が好調な理由は、かつて同社製品のユーザーだった層が、年齢を重ねて体型が再び気になり出す一方、子育て等が一段落し、経済的に余裕が生まれてくるタイミングに差し掛かっている等が挙げられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
1. 販売戦略
(1) 販売方法の概要
マルコ (T:9980)は株式公開前の1991年に信光産業から営業譲渡を受けて、それまでの製造・卸売から直営店舗での小売販売へと切り替えた。
同社の販売戦略の特徴は“紹介営業”と“店頭販売”の2つだ。
紹介営業は、“顧客に高い満足度を与えることができればそこから次の顧客を紹介してもらえる”、“紹介による顧客開拓は広告に勝る”という創業者の強い思いが込められた結果だ。
一方、店頭販売へのこだわりは体型補整下着の商品特性に根差している。
同社では体型補整下着を販売して終わりというのではなく、3ヶ月を目途に週1回~10日に1回のペースで来店してもらい、下着の装着の仕方(すなわちボディメイクの仕方)を指導しながら販売している。
顧客は予約の上で来店し、店舗ではフィッティングルームで店員が2人がかりで指導するという体制だ。
同社が販売においてそれだけ時間をかけるのは、下着による体型補整には一定の技術を伴わないと効果が出にくく、顧客に満足度を提供できないためだ。
(2) 店舗の運営
同社は2017年3月末現在、全国に215店舗を展開している。
このうち199店舗が主要顧客層である若年層(20代~30代前半)をターゲットとする既存店舗で、16店舗が35歳以上のミドルエイジ層(35歳以上)をターゲットとした「シャルム・ドール」ブランドの店舗となっている。
同社の店舗は既存会員もしくは既存会員から紹介を受けた新規客が、予約の上で来店するため、路面店である必要はない。
駅から多少離れたビルの上階に位置する、いわゆる空中店舗が中心となっている。
店舗は店長以下正社員とパートを含めて8名で運営されるのが一般的となっている。
同社の店舗スタッフは100%同社の体型補整下着の利用者だ。
すなわち顧客を勧誘して店舗スタッフとしている。
紹介販売への創業者のこだわりが、店づくり・人材確保にまで徹底されているということだ。
同社は全国に215店舗(2017年3月末現在)を擁している。
同社が地方中心に多店舗展開するのは、地方の方が大都市圏に比べて販売が好調だという現実があるためだ。
後述するように、体型補整下着のライバルは同業他社に限らない。
フィットネスクラブやエステティックサロンも代替関係にあるためライバルと言える(ただしこの点については。
別な解釈も可能と弊社では考えている)。
地方ではそうした異業種との競合が相対的に少ないことが背景にある。
また、購買力の面でも地方が有利な現実がある。
大都市圏の1人暮らしのOLよりも地方の自宅通勤のOLの方が可処分所得が多いためだ。
(3) 顧客
同社では顧客会員数は50万人を超えている。
しかし、出産などを機に体型補整下着の利用を止めてしまう顧客も多く、現状で継続的に同社製品を利用しているアクティブ会員の数は2017年3月期実績ベースで56,796人となっている。
同社の顧客は20代~30代前半の若年層が中心だ。
独身の若い女性の方が体型に対する意識が高いことが背景にあると考えられる。
そうした若者中心の顧客も、結婚や出産を機に体型補整下着の利用を止める傾向がある。
体型維持への意識の低下や可処分所得の減少などが要因と考えらえる。
そうしたなか同社は2008年にミドルエイジ層向け商品ラインを整え、2011年に専用店舗ブランド「シャルム・ドール」の展開に踏み出した。
ターゲットは、現在は使用を止めている40代~50代の元顧客だ。
この層を掘り起こしたうえで、紹介営業によって同年代の新規顧客開拓につなげるという戦略だ。
2017年3月末時点では全国に16店舗を擁しており、進出以来店舗数は右肩上がりで増加している。
ミドルエイジ層向け販売が好調な理由は、かつて同社製品のユーザーだった層が、年齢を重ねて体型が再び気になり出す一方、子育て等が一段落し、経済的に余裕が生まれてくるタイミングに差し掛かっている等が挙げられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)