〇政局、解散に動く。
押し上げ基調変わらず〇
アッと言う間に、28日冒頭解散、10月22日投開票の流れができた。
大きな原動力は北朝鮮リスクと見られる。
11月にトランプ米大統領の日中韓歴訪計画が伝えられ、それまでは軍事行動リスクは極めて小さいとの読みと思われる。
中国も10月18日からの共産党大会を控え、具体的な動きを避けると考えられる。
北朝鮮リスクは長期化するとの見方で、来年になれば解散権を封じ込められるような軍事暴発リスクが高まる公算がある。
来年は国内でも、憲法改正発議、自民党総裁選、天皇陛下御譲位、さらに米中間選挙とイベントラッシュで12月の衆院任期満了に向け、動き難さが増す公算が大きい。
安倍首相の絶妙のタイミング選択、決断の速さを示すと受け止められる。
内閣支持率は軒並み回復している。
産経・FNNが50.3%、読売も50%、日経・テレ東46%、NHK44%、共同通信44.5%、元々低い朝日38%、毎日39%だが、毎日の7月26%からは大きく回復している。
産経調査では、依然、女性の支持が43.6%と低いが、10-20代が69.0%に達するなど、男性中心に安保敏感層の支持が高いと見られる。
安倍首相は「消費増税−教育費財源」を打ち出しているので、消費増税に敏感な女性層の支持は高まらない公算があるが、野党も反対派は共産党ぐらいで大きな争点にならない可能性がある(選挙公約が景気押し上げ材料になる公算は乏しい)。
対北朝鮮では、日米の習熟度が上がり、監視体制が強化されているとの見方。
15日のミサイル発射は、少なくとも30分前に日本政府は把握していたとされ、8月29日が失敗だったと判明。
核実験についても、実験場の山体崩壊を起こし、コントロールできているとは思えない状況。
8月からの国連制裁は、メキシコ、ペルーに続き、スペイン、クウェートが大使追放、フィジーがインターポール(国際刑事警察機構)と協力し、北朝鮮と関連のある船舶監視強化(太平洋諸島フォーラム18カ国が合意)に乗り出した。
13日付ロイターは中朝国境(丹東)での貿易停滞・激減を伝え、銀行取引の大幅制限も加わった。
制裁強化は北朝鮮の全面戦争姿勢を著しく殺ぐと考えられる。
当面、制裁効果を見極める局面が続くと見られる。
23日のドイツ総選挙がほとんど話題にならないように、与党優勢の状況であれば、株式市場への影響は限定的と見られる。
むしろ、8月3日の内閣改造後、目立った施策がなかった安倍政権に、選挙勝利で行動力が復活するとの読みが働けば、株価押し上げ要因になる公算があろう。
時間外のCME日経平均先物が2万円台にタッチしており、まずは9月末を目指し、6月末20033円、6月20日年初来高値20318.11円のクリア、7-9月ラリーでのプラス転換が焦点になると考えられる。
以上
出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(17/9/19号)