[9日 ロイター] - 9日に公開された連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、このところの短期金利の大幅変動がいかに米連邦準備理事会(FRB)当局者に行動を促したかを示している。
以下、短期金融市場の最近の動きとFRBの対応をまとめた。
*短期金融市場は夏の間ほぼ安定していたが、9月のFOMC直前に、現金需要が急速に高まり、金利が上昇し始めた。企業の納税や国債入札決済に伴う需要が背景とみられる。流動性のひっ迫はすぐに短期金融市場全体に波及した。
*資金需要の先行きが見通せないなか、一部のマネー・マーケット・ミューチュアルファンドは貸出ではなく準備金積み上げに動いた。レポ市場で金利は9月16日に5%を突破。17日には8%を上回った。
*レポ金利の急上昇が他の市場にも波及し始め、フェデラルファンド(FF)市場で資金の大きな貸し手である連邦住宅貸付銀行(FHLB)は、レポ市場での供給を増やすために資金供給を控えた。
*これにより、FF金利の実効レートは16日、FRB誘導目標レンジの上限まで上昇。FRBは17日朝、資金供給に動いた。
*ニューヨーク連銀は17日、レポ取引を通じて最大750億ドルを供給。金利は約2.5%に低下した。
*短期金利の急上昇を受けてFOMCメンバーは、銀行システムに十分な準備預金があるかどうかを見極める時が来たとの認識で一致した。
*FRBがバランスシートの圧縮を段階的に進めるなか、準備預金は減少している。当局者は、短期金利の安定に向けてある時点でバランスシートの再拡大に踏み切る必要があるかもしれないと認識していた。
*パウエルFRB議長は8日、FRBの保有資産を再び拡大すべき時がきていると述べ、最近の短期金融市場の混乱に対応するためにFRBがより長期的な解決策の導入を模索していることを明確にした。一方で、バランスシートの再拡大は、金融危機後に講じた大規模な資産購入とは「決して」同じではないとし、量的金融緩和(QE)の再開との見方は強く否定した。