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メディシス Research Memo(2):医薬品等ネットワーク事業と調剤薬局事業が2本柱

発行済 2017-11-24 15:31
更新済 2017-11-24 15:33
メディシス Research Memo(2):医薬品等ネットワーク事業と調剤薬局事業が2本柱
4350
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■事業概要

メディカルシステムネットワーク (T:4350)は医薬品等ネットワーク事業と調剤薬局事業を2本柱として、周辺事業となる賃貸・設備関連事業や給食事業、訪問看護事業をグループ会社等で展開している。


2018年3月期第2四半期累計期間における事業セグメント別構成比を見ると、売上高では調剤薬局事業が全体の89.2%を占めているが、営業利益では調剤薬局事業が59.3%、医薬品等ネットワーク事業が45.4%となっており、両事業が収益の2本柱となっている。
各事業の概要は以下のとおり。


1. 医薬品等ネットワーク事業
医薬品等ネットワーク事業は、調剤薬局や医療機関と医薬品卸売会社間の医薬品売買を仲介することにより、医薬品流通過程の効率化を支援するビジネスモデルで、顧客は中小規模または個人の調剤薬局が中心となる。


医薬品等ネットワーク事業のサービス内容としては、医薬品卸売会社との価格交渉や受発注、決済機能を代行するサプライチェーンマネジメントサービス、店舗にある不動在庫をネットワーク加盟店舗間で融通し合うデッドストックエクスチェンジサービスのほか、薬剤師の教育サポートや資金調達サポートなども行っている。


医薬品ネットワークに加盟することで、調剤薬局は医薬品卸売会社との価格交渉を単独で行うよりも有利に進めることが可能となるほか、薬剤廃棄ロスの削減や受発注業務の簡素化が図れるなど、経営面で様々なメリットを享受できる。
特に、中小規模の調剤薬局ほど加盟するメリットは大きい。


その他の事業としては、調剤薬局に設置するレセプトコンピュータシステムや「O/E system」(医薬品受発注システム)、周辺機器などの開発・販売・保守や調剤機器、什器、備品などの販売業務を行っている。


2017年9月末時点のネットワーク加盟件数は、同社グループ、外部加盟店合計で2,012件(病・医院38件含む)と拡大基調が続いており、鳥取県、徳島県、高知県の3県を除くすべての都道府県に進出しており(徳島については2017年11月に1件加盟済み)、全都道府県への進出と早期に加盟件数5,000件を達成することを目標としている。
同事業の売上高は、加盟店舗の医薬品発注高に応じて発生する受発注手数料とシステム販売で大半を占めており、利益の源泉は受発注手数料となっている。
このため、加盟店舗の増加に伴って安定的に収益が積み上がるストック型のビジネスモデルと言える。


2. 調剤薬局事業
調剤薬局事業では、各エリアで主に「なの花薬局」の屋号で調剤薬局を展開しており、M&Aも積極活用しながら店舗数の拡大を進めている。
2017年9月末時点の調剤薬局店舗数は384店舗で業界大手の一角を占める。
エリア別では北海道が120店舗と最も多く、同エリアの店舗数としては業界トップとなっている。
次いで、関東・甲信越が85店舗、近畿が59店舗、東海・北陸が53店舗となっている。
そのほかにドラッグストア8店舗、ケアプランセンター1ヶ所の運営を行っている。


また、子会社の(株)北海道医薬総合研究所では、薬剤師をはじめとしたグループ内外の調剤薬局業務従事者に対する教育・研修サービスを行っている。


3. 賃貸・設備関連事業
主に調剤薬局の立地開発や建物の賃貸、保険・リース業務を行っている。
また、医師開業コンサルティングを行うとともに、複数の診療科目が同一フロア内に集積するメディカルモールや、同一ビル内に診療所が集積するメディカルビルのコンサルティング及びサービス付き高齢者向け住宅(以下「サ高住」)の運営などを行っている。


「サ高住」の物件としては、北海道札幌市に「ウィステリア清田」「ウィステリアN17」、小樽市に「ウィステリア小樽稲穂」、大阪府豊中市に「ウィステリア千里中央」を開設しているほか、2018年11月札幌市に「ウィステリア南1条(仮称)」を開設する予定となっている。
「サ高住」については入居率90%以上で黒字化すると言われており、おおむね3年程度で90%に達している。


4. 給食事業
2013年11月に子会社化した(株)トータル・メディカルサービスとその子会社である(株)さくらフーズ、2015年10月に子会社化した九州医療食(株)にて、病院・福祉施設内での給食事業受託業務を行っている。


5. その他事業
その他事業の主なものとしては、2016年5月に子会社化した(株)ひまわり看護ステーションの訪問看護事業がある。
訪問看護とは、訪問看護ステーションから看護師等が療養者の生活の場へ訪問し、看護ケアを提供、自立への援助を促すとともに療養生活を支援するサービスとなる。
国が提唱する地域包括ケアシステムにおいて、看護ステーションは薬剤師や栄養士、あるいは医師やケアマネージャーなど多職種と連携しながら、質の高い医療・介護サービスを提供していくために重要な役割を果たすことになる。
同社では、調剤薬局事業における在宅医療サービス強化の一環として訪問看護事業を新たにグループ内に取り込んだ。
現在のサービスエリアは東京(練馬区、西東京市)と埼玉(和光市、新座市)の一部地域となるが、将来的には同社グループ薬局と連携して全国での事業展開を目指している。


なお、従来その他事業に含まれていた治験施設支援業務を行う子会社、(株)エスエムオーメディシスについては2017年6月に同業で最大手となる(株)EP綜合に全株式を譲渡し、連結対象から外れている。
同子会社についてはここ数年、年間で1〜1.5億円の損失計上が続いており、経営リソースを中核事業に集中する方針のもと事業売却を決断した。
株式売却に伴う連結業績への影響は軽微だが、その他事業セグメントの損益改善要因となる。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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