今日の欧米市場では、ドル・円は上値の重い展開を予想したい。
米次期政権への期待や米連邦準備理事会(英)の12月利上げ観測を背景にドル買いに振れやすい地合いは継続。
ただ、9日に付けた101円前半から短期間で約7円も上昇しており、いったん調整が入りやすいとの見方が広がっている。
米国大統領選は日本時間9日午前以降、開票状況からトランプ氏優勢との見方が広がると、米経済の回復を背景に資金需要が増大するほか、金融市場や不動産市場が活性化し、インフレが加速するといった観測から米国債利回りが急激に上昇。
10年債は1.79%付近から上昇が続き、14日には今年1月以来となる2.30%台となった。
ドル・円は、米長期金利の上昇に連れて、9日の101円20銭から14日NY市場では108円54銭まで7円超も値を切り上げている。
ある市場筋は「さすがにドルの上昇ペースは速すぎる。
米国債利回りが短期間で急激に上昇しており、そろそろ限界ではないか」との見方を示している。
そうしたなか、今晩は米国の10月小売売上高など経済指標の発表や、ローゼングレン・ボストン連銀総裁、タルーロFRB理事、フィッシャーFRB副議長のFOMCで投票権を持つ3氏による講演が予定されている。
指標、発言からFRBの12月利上げの可能性を探り、ドル買い継続につなげるのか、または、一時的な調整になるのか、動向を見極めることになる。
【今日の欧米市場の予定】
・18:30 英・10月消費者物価指数(前年比予想:+1.1%、9月:+1.0%)
・18:30 英・10月生産者物価産出指数・産出(前年比予想:+1.8%、+1.2%)
・19:00 ユーロ圏・7-9月期GDP改定値(前年比予想:+1.6%、速報値:+1.6%)
・19:00 ユーロ圏・9月貿易収支(予想:+225億ユーロ、8月:+184億ユーロ)
・19:00 独・11月ZEW期待指数(予想:8.1、10月:6.2)
・22:00 ローゼングレン米ボストン連銀総裁講演
・22:30 米・10月小売売上高(前月比予想:+0.6%、9月:+0.6%)
・22:30 米・10月輸入物価指数(前月比予想:+0.4%、9月:+0.1%)
・22:30 米・11月NY連銀製造業景気指数(予想:-2.5、10月:-6.8)
・23:05 タルーロ米FRB理事講演
・24:00 米・9月企業在庫(前月比予想:+0.2%、8月:+0.2%)
・03:30 フィッシャー米FRB副議長講演
・03:30 カプラン米ダラス連銀総裁講演
・ブラジル株式市場は「共和制宣言記念日」祝日のため休場