10日の香港市場は値下がり。
主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比37.93ポイント(0.13%)安の30119.56ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)も51.00ポイント(0.43%)安の11764.00ポイントとそろって3日ぶりに反落した。
売買代金は1126億1600万香港ドルとなっている(9日は1141億8800万香港ドル)。
外部環境の不透明感を嫌気。
世界景気の減速懸念が強まるなか、昨夜の欧米株が売られた軟調地合いを継いだ。
国際通貨基金(IMF)は9日、2019年の世界経済見通しについて、成長率予測を前回(19年1月)の「3.5%」から「3.3%」に下方修正。
引き下げは3回連続で、金融危機以降で最低の水準となっている。
また、米欧の貿易戦争も警戒。
米通商代表部(USTR)は8日、「欧州連合(EU)のエアバスに対する補助金で自国企業が損害を受けた」と主張し、報復関税を課す方針を明らかにした。
これに対してEU側は9日、決定すれば報復措置を準備すると表明している。
ハンセン指数の構成銘柄では、中国政府系デベロッパーの華潤置地(1109/HK)が2.5%安、米菓・飲料メーカーの中国旺旺HD(151/HK)と不動産事業を中核とするコングロマリットの太古A(スワイヤ・パシフィックA:19/HK)がそろって2.3%安と下げた。
業種別では、中国の不動産が安い。
上記した華潤置地のほか、広州富力地産(2777/HK)が3.0%、中国恒大集団(3333/HK)が2.6%、万科企業(2202/HK)と中国金茂HD(817/HK)がそろって1.0%ずつ値を下げた。
証券セクターも売られる。
広発証券(1776/HK)が3.5%安、華泰証券(6886/HK)が3.1%安、中信証券(6030/HK)が2.1%安、海通証券(6837/HK)が1.9%安で引けた。
証券各社は今年3月の営業実績を報告し、好調な業績を明らかにしたものの、相場に対する影響は限定されている。
半面、自動車セクターはしっかり。
長城汽車(2333/HK)が6.3%高、広州汽車集団(2238/HK)が3.2%高、北京汽車(1958/HK)が2.6%高、東風汽車集団(489/HK)が2.5%高、吉利汽車HD(175/HK)が2.2%高とそろって続伸した。
全国乗用車市場信息聯席会は9日、「今年3月の乗用車販売は前年同月比で12%減少した」と報告する一方、「4月には回復する」と予測。
大手メーカーの月次統計では、足元の販売持ち直しが示されている。
他の個別株動向では、発電設備メーカーの東方電気(1072/HK)が12.9%高と急伸。
傘下企業が10日、中国西部エリアで初めて水素燃料電池の生産工場を稼働させたことが材料視された。
業績拡大の期待が高まっている。
一方、本土市場は3日ぶり反発。
主要指標の上海総合指数は、前日比0.07%高の3241.93ポイントで取引を終えた。
自動車株の上げが目立つ。
食品・飲料株、医薬品株、運送インフラ株、消費関連株の一角も買われた。
半面、金融株は安い。
資源・素材株、不動産株、ハイテク株、運輸株なども売られた。
【亜州IR】