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東京外為市場・15時=ドル91円半ばで動意薄、個人のドル売越額は依然高水準

発行済 2009-12-28 15:32

       ドル/円   ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 91.54/55  1.4389/93  131.70/76

正午現在   91.46/49  1.4395/97  131.65/72

午前9時現在 91.44/47  1.4375/80  131.47/55

東京17時現在 91.28/31  1.4393/97  131.41/45

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 [東京 28日 ロイター] 午後3時のドル/円は、25日東京の午後5時時点に比

べ若干ドル高の91円半ば。クリスマス明けの海外勢の動きは鈍く、東京市場を挟むシド

ニーやロンドン市場が休場の為、商いは極めて薄く動意に乏しい展開となった。

 

 東京の仲値では、ドル不足が予想され、不足観測に便乗してドルを買う動きもみられた

ため、ドルは一時91.79円まで上昇したが、91.80円以上に輸出勢の売りが待ち

構えることが意識され、上昇は続かなかった。91.80円から上は売り注文が控えてい

るほか92円からはさらにドル売り需要が厚くなるため、「92円に乗せたところではス

トップ・ロスもあるようだが、つけても上に走るのは難しそうだ」(国内金融機関)とい

う。

 この日のユーロは1.4350ドル―1.4398ドルと狭いレンジでの取引となった。

 <個人のドル・ショート>

 

 市場では個人の外為証拠金取引によるドル売り越しが話題となっている。「証拠金取引

で個人のドル・ショートが膨らんでおり、ドルが上に走るとすれば個人の損切りが発動し

た場合。10月の月中高値(92.33円)、9月下旬の高値(92.55円)などのテ

クニカル・ポイントで、こうした損切りが出る可能性がある」(国内金融機関)との声が

出ている。

 東京金融取引所の外国為替証拠金(FX)取引「くりっく365」で、個人のドル売越

額(対円)は25日時点で11億5653万ドルとなり、依然高水準かつ過去最大圏を推

移している。売り建玉数量は21万4796枚(1枚=1万通貨単位)、買い建玉数量は

9万9143枚で、比率は売り68.4%に対して買い31.6%となり、ドル/円では

ドルに対する弱気派が強気派を2倍以上、上回っている。

 ユーロ/円は売り建玉数量が25日時点で1万9581枚、買い建玉数量が

3万4538枚で、ユーロ買越額(対円)が1億4957万ユーロとなっている。比率は

売り36.2%に対して買い63.8%となり、ユーロ/円では、ユーロ高/円安の観測

が強いことを示している。

 

 <米2年国債入札>

 

 米財務省はきょうの2年債入札440億ドルを皮切りに、今週総額1180億ドルの国

債入札を実施する。今回の入札は米政府による過去最大の国債発行となった今年の締めく

くりとなり、入札規模は11月に実施された中期国債入札と同額。市場では11月の入札

以降、米長期金利は上昇傾向となり、2年債と10年債のスプレッド(利回り格差)は過

去最大に広がった。

 米国債2年物の利回りは現在0.9719/0.9637%の気配で、24

日ニューヨーク市場終盤の0.9680%とほぼ変らず。

 「短いゾーン(の国債)は政策金利の変更がない限り、穏当な入札結果になるだろう。

中長期金利については、景気がピックアップしてくるムードが高まれば良い金利上昇が見

込まれる」と岡三証券外国債券グループ・グループ長の相馬勉氏は指摘する。

 為替相場については「年末のブック・クロージングでドルの買い戻しが先行したが、こ

れをきっかけにトレンドが大きく変わるのか、市場はストラテジーを組みなおしている。

年初はファンド勢が買いから入ってくる公算が高いが、どれほど継続性があるのか見極め

が必要だ」(同)という。

 <欧米商業用不動産の下落がドバイを直撃>

 ドバイ政府系企業の債務問題がユーロの圧迫要因になっているが、草野グローバルフロ

ンティア代表取締役の草野豊己氏は、ドバイ企業の苦境は米国や欧州の商業用不動産の急

落が一因だったと指摘している。

 米国を中心に住宅市場が下げ止まりの兆しを見せる一方で、商業用不動産市場は軟調が

続いている。この影響は、欧米商業銀行の財務を圧迫して融資態度を厳格化させる一方、

2005─2007年にかけてレバレッジ投資を通じて積極的に欧米商業用不動産を買収

してきたドバイも直撃している。

 不動産市場の下落でレバレッジを可能にしてきた融資が細ったたためで、商業用不動産

を仲立ちにした投資家と銀行の間でスパイラル的にデレバレッジが進んでいると、草野氏

は分析する。

 ドバイ・ワールド[DBWLD.UL]傘下の投資会社イスティスマル・ワールドは、12月の差

し押さえ競売でマンハッタンのWホテル・ユニオン・スクエアを失った。ウォールストリ

ート・ジャーナル紙は、イスティスマル・ワールドは2006年に2億8200万ドルで

同ホテルを買収したが、200万ドルで失ったと報じている。

 「それも、自己資金5000万ドルに2億3200万ドルの借入金を加えた高率のレバ

レッジ投資。その後の商業用不動産の下落でレバレッジを維持できなくなり、巨大な損失

を出して撤退した。商業用不動産市場は投げ売りが出ても融資がつかず、吸収する余力が

ないほど悪化している」(草野氏)という。

 

 (ロイター日本語ニュース 森佳子)

( ロイターメッセージング:yoshiko.mori.reuters.com@reuters.net 

E-mail:yoshiko.mori@thomsonreuters.com; 03-6441-1877)

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