ドル/円
午後3時現在 82.16/20 1.3707/10 112.65/69
正午現在 82.13/17 1.3704/06 112.55/60
午前9時現在 82.15/18 1.3709/11 112.64/69
NY17時現在 82.19/23 1.3708/12 112.64/68
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[東京 27日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点
とほぼ同水準の82円前半。ドルは月末をにらんだ輸出企業の売りで仲値公示にかけて
82.00円まで下落したものの、米長期金利の高止まりを背景に82円を割り込まずに
踏みとどまった。前日9週間半ぶりの高値をつけたユーロは1.37ドル付近での足踏み
状態が続き、一段のユーロ買いには警戒感も広がっている。
ドルは朝方に82.28ドルを付けた後、82円ちょうどまで反落。「月末をにらんだ
輸出企業の売りで、仲値にかけてドルが売られた。FOMC(米連邦公開市場委員会)を
待って様子を見ていた輸出企業が、上値で待っていても売れないと考えて売りを出してき
たようだ」(国内金融機関)という。
ただ、仲値通過後は下げ渋り、82円前半でもみあいに転じた。「米長期金利が高止ま
っていることに加え、このところ82円付近の底堅さも意識されており、結局レンジ取引
だ。ドル81.80円付近を下抜けていかないと下落トレンドには転じないだろう」(大
手銀行)との声が出ていた。
ユーロは朝方一時1.3715ドルをつけた後、1.3691ドルまで小幅に反落した。
午後の取引では1.37ドル付近でこう着感が強まった。
市場では「1.37―1.38ドル付近にリバース・ノックアウト・オプションのバリ
アがあるため、防戦売りが出やすく、ユーロの上値が重くなっている」(外銀)との声が
聞かれた。
1.37ドル台をバリアとするノックアウト・オプションが形成された背景は、ユーロ
が1.32ドル台だった時点で、一部大手米銀がユーロは短期的に1.37ドルまで上昇
すると予想し、それに便乗したファンド勢が多くいたためだという。ユーロは1月上旬か
ら上昇トレンドに乗っているが、「市場はまだ完全にユーロ・ロングにはなっていない」
(同外銀)とされ、1.37台からのユーロ買いには慎重な見方が多い。
<ユーロ>
1月10日から1日を除いてほぼ毎日上昇しているユーロだが、その上昇にも陰りがで
てきたとの指摘もある。
ユーロは昨年11月4日の1.4283ドルをピークに1月10日には1.2860ド
ルまで大幅に下落した。その後は21日に振幅幅の半値戻しとなる1.3572ドルを上
抜け、26日には1.3723ドルまで上昇して11月22日以来9週間半ぶりの高値を
つけた。
「(フィボナッチ・リトレースメントでは)61.8%戻しが1.3739ドルになる
が、きのう1.3723ドルまで上昇したことで、ほぼ61.8%戻しを達成したとみて
いいのかもしれない」(証券会社)との声が聞かれ、ユーロの一段高には懐疑的な見方も
広がっている。
フィボナッチ・リトレースメントは、黄金比率(1対1.618)を使用して、相場の
「押し」や「戻り」の目安を推測するもの。同分析で用いられる数字は、61.8%、
50%、38.2%。
26日の欧州金融市場では、25日ローンチされた欧州金融安定ファシリティー(EF
SF)5年債の利回り格差が、前日の価格設定時の水準から約7ベーシスポイント(bp)
縮小し、ユーロ買い材料となった。 EFSFによると、利回り水準は2.89%で、独
連邦債5年物の水準を56bp上回る程度となっている。
他方、ギリシャ債、ポルトガル債の利回り格差は拡大した。「EFSF債のおかげで、
ギリシャやポルトガル国債のデフォルトは先送りされたものの、ファンダメンタルズが改
善しているわけではない。こうした国々の支払責任は誰が取ってくれるのか、わからない
状況が続いている」(前出の証券会社)という。
他方、ユーロの下値リスクは限定的との見方もある。
「ヘッジファンドやリアルマネーはこのところのユーロの上昇トレンドに乗り遅れてい
る。また、通貨CTAはユーロ売りのポジションを圧縮するに留まっているため、ユーロ
の下落局面では、これらのアカウントから押し目買いが入り、下値がサポートされる公算
が高い」とバークレイズ銀行のFXストラテジスト、逆井雄紀氏は予想する。
<米金利高止まり>
米国債10年物利回り
ーク終盤の3.421%から若干低下している。ただ、市場では今後も長期金利の上昇圧
力がくすぶるとの見方が多く、ドル/円の支援材料となりそうだ。
「FRBが国債を買えば買うほど、マーケットではインフレ懸念が広がりをみせている。
ユーロ圏との比較では、ユーロ圏がEFSF債を発行して、市中から資金を吸収している
のに対して、米国は国債を買い上げ、市中に資金を供給している」と、岡三証券外国債券
グループ・グループ長の相馬勉氏は指摘する。「南半球での天候不順や、穀物等食料品の
価格高騰という背景もあり、インフレに対する不安が高まりやすい」と同氏は続けた。
米連邦準備理事会(FRB)は、26日発表したFOMC声明で、失業率が高水準であ
ることを踏まえて6000億ドルの追加国債買い入れは正当化されると表明し、景気支援
措置の打ち切りを急がない姿勢を見せる一方、景気判断は若干上方修正した。
また、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を予想通りゼロ―0.25%に据え
置き、金利を長期間にわたり異例に低い水準に据え置く可能性が高いと再度表明した。
米金利市場では、声明発表を受けて、米金短期利先物が下げ幅を縮小した。シカゴ商品
取引所(CBT)のフェデラルファンド(FF)金利先物は、12月にFRBが利上げする
確率を55%織り込んでいる。声明発表前は約62%だった。
三菱東京UFJ銀行アナリストの井野鉄兵氏は「FF先物については、事前に反対票が
増える可能性が意識されていたため、反対がなかったことに反応したのだろう。一方、タ
カ派が存在することは事実で、今後反対票が出る可能性はある。(景気指標の改善などで)
長い金利の方向感は長期的に上向きだ」とみている。
(ロイターニュース 森佳子)