フォーカスシステムズ (T:4662)は公共分野のソフトウェア開発で実績のある独立系の中堅システムインテグレーター。
主力のシステム開発のほか、運用・保守などのITサービス、セキュリティ製品の開発、販売など顧客ニーズに対応したトータルソリューションを提供する。
主要取引先はNTTデータ (T:9613)や日本IBM(株)などの大手システムインテグレーターで、エンドユーザーは官公庁から民間企業までと幅広い。
1996 年12 月に日本証券業協会へ株式を店頭登録、2015 年5 月に東京証券取引所市場第2部へ上場したのに続き、2016年3月に東京証券取引所市場第1部へ銘柄指定された。
2016年3月期業績は、売上高が前期比9.3%増の16,482百万円、営業利益は同1.4%増の953百万円、当期純利益は同24.6%増の738百万円と増収・増益を確保し、売上高、当期純利益は過去最高を更新した。
NTTデータグループや日本IBMなどから公共や民間企業向けのシステム開発の受注が好調に推移したことで増収を確保した。
にもかかわらず、営業利益が前期を若干上回る低い伸びにとどまったのは、公共関連事業においてエンドユーザー側で発生したセキュリティ・インシデントの影響で想定していた規模の受注を確保できなかったことが主要因。
対照的に、当期純利益が2ケタ増益を確保したのは、投資有価証券売却益を特別利益として計上したことによる。
実質的に東証第1部市場上場初年度となる2017年3月期は、売上高が前期比3.1%増の17,000百万円、営業利益は同16.1%減の800百万円、当期純利益は同33.7%減の490百万円と、増収ながら2ケタ減益を見込む会社計画となっている。
売上高は公共向けや民間企業向けが順調に拡大すると見込まれるため増収を確保する。
しかし、大幅な営業減益になるのは、3年先5年先を見据え、1)より優秀な人材を確保するための採用投資、2)現社員に対してより高付加価値をつけるための教育投資、3)ガバナンス強化を目的とした社内管理体制へのシステム及び人的投資、4)自社製品の開発販売のための投資、——を行うためだ。
同社では中長期的な経営課題として、景気動向に左右されない安定した企業を目指し、各事業において技術者の確保・育成を行うことを挙げてきた。
ただ、業績の回復・拡大トレンドが鮮明となった2013年3月期以降は日常の業務が極めて繁忙で社員教育に時間とコストを割けなかったのが現状。
東証1部上場を果たし、ビジネスパートナーを含めグループの人員が2,000人を超える体制となったのを機に、今後も一段の収益拡大を継続して実現するには、一時的に減益となっても教育投資が必要との経営判断が働いたことによる。
このため、弊社では同社が中期的に一段の成長を遂げるどうかを占う手掛かりとして、今期に教育投資が確実に実行されるかどうかが極めて重要であると考え、採用投資や教育投資の進捗について注目する。
■Check Point ・2016年3月期は売上高、当期純利益が過去最高を記録 ・公共、民間向けの受注は好調で2ケタの伸びを確保 ・中期的な成長を実現するために2017年3月期は優秀な人材確保のための採用投資と現社員への教育投資により2ケタ減益予算 (執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )
主力のシステム開発のほか、運用・保守などのITサービス、セキュリティ製品の開発、販売など顧客ニーズに対応したトータルソリューションを提供する。
主要取引先はNTTデータ (T:9613)や日本IBM(株)などの大手システムインテグレーターで、エンドユーザーは官公庁から民間企業までと幅広い。
1996 年12 月に日本証券業協会へ株式を店頭登録、2015 年5 月に東京証券取引所市場第2部へ上場したのに続き、2016年3月に東京証券取引所市場第1部へ銘柄指定された。
2016年3月期業績は、売上高が前期比9.3%増の16,482百万円、営業利益は同1.4%増の953百万円、当期純利益は同24.6%増の738百万円と増収・増益を確保し、売上高、当期純利益は過去最高を更新した。
NTTデータグループや日本IBMなどから公共や民間企業向けのシステム開発の受注が好調に推移したことで増収を確保した。
にもかかわらず、営業利益が前期を若干上回る低い伸びにとどまったのは、公共関連事業においてエンドユーザー側で発生したセキュリティ・インシデントの影響で想定していた規模の受注を確保できなかったことが主要因。
対照的に、当期純利益が2ケタ増益を確保したのは、投資有価証券売却益を特別利益として計上したことによる。
実質的に東証第1部市場上場初年度となる2017年3月期は、売上高が前期比3.1%増の17,000百万円、営業利益は同16.1%減の800百万円、当期純利益は同33.7%減の490百万円と、増収ながら2ケタ減益を見込む会社計画となっている。
売上高は公共向けや民間企業向けが順調に拡大すると見込まれるため増収を確保する。
しかし、大幅な営業減益になるのは、3年先5年先を見据え、1)より優秀な人材を確保するための採用投資、2)現社員に対してより高付加価値をつけるための教育投資、3)ガバナンス強化を目的とした社内管理体制へのシステム及び人的投資、4)自社製品の開発販売のための投資、——を行うためだ。
同社では中長期的な経営課題として、景気動向に左右されない安定した企業を目指し、各事業において技術者の確保・育成を行うことを挙げてきた。
ただ、業績の回復・拡大トレンドが鮮明となった2013年3月期以降は日常の業務が極めて繁忙で社員教育に時間とコストを割けなかったのが現状。
東証1部上場を果たし、ビジネスパートナーを含めグループの人員が2,000人を超える体制となったのを機に、今後も一段の収益拡大を継続して実現するには、一時的に減益となっても教育投資が必要との経営判断が働いたことによる。
このため、弊社では同社が中期的に一段の成長を遂げるどうかを占う手掛かりとして、今期に教育投資が確実に実行されるかどうかが極めて重要であると考え、採用投資や教育投資の進捗について注目する。
■Check Point ・2016年3月期は売上高、当期純利益が過去最高を記録 ・公共、民間向けの受注は好調で2ケタの伸びを確保 ・中期的な成長を実現するために2017年3月期は優秀な人材確保のための採用投資と現社員への教育投資により2ケタ減益予算 (執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )