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サイバリンクス Research Memo(8):2020年12月期に売上高10,750百万円を目指す(2)

発行済 2019-04-04 15:58
更新済 2019-04-04 16:01
© Reuters.  サイバリンクス Research Memo(8):2020年12月期に売上高10,750百万円を目指す(2)
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■中長期の展望と成長戦略5. モバイルネットワーク事業モバイルネットワーク事業では、ドコモショップ店舗の大型化による顧客利便性と集客力の向上、スマートライフ関連商材の取扱いを拡大するとしている。

2017年に岩出店の売場面積を拡張しており、今後、取扱商材も拡大する。

新たに加える商材には、体重計や血圧計などのメディカル・ヘルスケア、生命保険、電気・ガス小売、周辺機器、各コンテンツ、アクセサリ、ウェアラブル機器などを想定している。

現在では、家電をスマートフォンと連携させて使用すると利便性が高いと思われる機能が付加されていることが多いが、家電量販店では機能の存在すら他の商品に埋もれてしまう場合が多く、せっかくの商材及びスマートフォンの保有によって得られるはずである利便性を謳歌しているとは決して言えない。

サイバーリンクス (T:3683)ショップでこれらの機能を積極的に提案することで、モバイルでより快適な生活を提案できるようになる。

6. 注目される展開・提携同社はここ1年間ほどで、以下のような重要かつ注目すべき取組を発表している。

これらは即座に収益に影響を与えるものではないが、同社の技術力・開発力を示す点では中長期的に大いに注目すべきものである。

(1) 時刻認証業務認定事業者(TSA)の認定取得同社は2017年4月に時刻認証業務認定事業者(TSA)の認定資格を取得した。

これにより、認定業者としてタイムスタンプを利用したサービスの提供が可能になり、これに併せて、スキャナ保存制度に対応したクラウドタイムスタンプサービス「サイバーリンクス タイムスタンプサービス」並びにタイムスタンプ対応ワークフロー(BPM)サービスである「TsunAG(ツナグ)for Time Stamp」の提供を行ってきたが、今回この「サイバーリンクス タイムスタンプサービス(モジュール開発)」を財務省より受注した。

現在はテスト稼働中だが、2019年4月には本格開始される予定。

(2) NTTドコモとの共同開発による画像認識AIを活用した「棚SCAN-AI®」を発売NTTドコモと画像認識AIを活用した商品棚認識システムの共同実証実験を進めてきた。

この技術は、小売店等で陳列されている商品棚をスマートフォン等で撮影するとAI認識エンジンがあらかじめ保存されている商品データベースと照合し個々の商品別に単品解析する。

これによって小売店本部においても棚割システムでの商品棚の再現、分析レポートの閲覧が可能になるもので、2018年4月に製品である「棚SCAN-AI®」を発売した。

(3) 「和歌山県防災ナビ」の提供開始:キラーアプリとなる可能性も同社が以前から行ってきた避難先検索、防災情報、避難トレーニング等を総合的に統合した和歌山県の公式防災アプリ「和歌山県防災ナビ」を2018年5月29日にリリースした。

既に2019年1月末時点で24,000ダウンロードを突破しており、今後も増加が見込まれている。

この製品は、今後の同社の事業を大きく変える可能性を秘めている。

第1に、この製品の評価は非常に高く、既に多くの他府県から調査や見学者が訪れている。

したがって今後は、他の都道府県にも導入される可能性がある。

第2に、一度この製品を導入すると、その上に様々なアプリを搭載することが可能であり、自治体向けのキラーアプリとなる可能性が高い。

ただし、問題は「販売力」であり、現在の同社の規模・営業力では全国展開は容易ではない。

自社で営業力を強化するのか、あるいは他社と提携を行うのか、同製品の営業戦略によって今後の同社の業態は大きく変わってくるだろう。

その意味で、今後2~3年の同製品の販売戦略・動向には大いに注目する必要がある。

7. 数値目標(中期経営計画)当初、同社では中期経営計画の最終年度である2020年12月期の数値目標として売上高10,750百万円、定常収入4,950百万円、定常収入比率46.1%、経常利益1,100百万円、償却前経常利益1,460百万円を目指していた。

売上、定常売上高は概ね堅調に推移しているものの、利益面では、次期@rmsの開発規模が拡大したことから償却負担が当初計画より増加し、経常利益1,100百万円の達成にずれが生じる可能性が出てきた。

減価償却費の実績及び見込みは以下のようになっており、2018年12月期当初計画は550百万円でピークの予定であったが実績は530百万円であった。

その一方で、2019年12月期の当初計画は530百万円となり減少の予定であったが、開発規模が拡大したことから現時点では680百万円と大幅に増加する見込みだが、その後は2020年12月期、2021年12月期と減価償却費は減少が予想されている。

この減価償却費の増加が、計画した経常利益達成がずれ込む可能性の最大の要因となっているが、一方で償却前経常利益は2020年12月期に約1,460百万円が見込まれ、当初計画と変わっていない。

同社はもう1つの目標としてROEの改善を掲げている。

同社のROEは2018年12月期(実績)で8.6%だが、2020年12月期にはこれを15.0%以上に改善させる計画だ。

ただし、上記のように経常利益の目標達成が後ずれしていることから、目標ROE達成もずれ込む可能性がある。

一般的にROE改善のためには、当然のことだが株主資本の減少か当期純利益の増加が必要になるが、通常の企業では、前者(株主資本の減少)は考え難いので、ROE改善のためには当期純利益の増加が必要(必須)である。

さらに当期純利益が増加したとしても、内部留保率(配当性向の反対)が高ければ株主資本も増加してしまうので、ROE改善のためには当期純利益の増加に加えて、配当性向の改善も必要となってくるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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