日経平均<.N225> 日経平均先物9月限<0#2JNI:>
終値 9300.46 -107.90 終値 9300 -100
寄り付き 9267.24 寄り付き 9250
安値/高値 9247.76─9378.91 安値/高値 9240─9380
出来高(万株) 178870 出来高(単位) 61374
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[東京 20日 ロイター] 東京株式市場で日経平均は3日続落。連休中に米経済減
速懸念を背景としてドル安・円高が進行したことから主力輸出株が軟調となり下げ幅は一
時150円を超えた。中国株が堅調に推移したほか、国内実需筋の買い観測で下げ幅を縮
める場面もあったが、円独歩高への警戒感は強く自動車やハイテクなどの上値は重いま
ま。今晩のゴールドマン・サックス
え様子見気分も強かった。
東証1部騰落数は値上がり499銘柄に対し値下がり1025銘柄、変わらずが144
銘柄。東証1部の売買代金は1兆1425億円だった。
中国株の上昇、米株先物の切り返し、円高一服、国内実需筋の買い観測──などポジテ
ィブ材料が後場そろったものの、上値は重く日経平均は一度もプラス圏に浮上することは
なかった。
日本株に対する見通しを暗くさせているのは円高警戒だ。ドルは16日の取引で一時8
6.27円まで下落。昨年12月1日以来、8カ月ぶり安値を更新した。「ドルショート
がたまっているなど、短期的に反転の可能性はあるものの、米景気減速懸念にともない米
金利が低下するなかでドル上昇のシナリオは描きにくい」(準大手証券ストラテジスト)
という。
米株式投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラ
ティリティー・インデックス(VIX指数)<.VIX>がそれほど上昇しているわけではなく
、信用不安が強まっている感じはない。ただ、円高警戒と米経済のソフトパッチ(一時的
鈍化)を警戒したリスク資産離れの動きが続いており、市場では当局の対応を求める声も
多くなっている。
みずほ証券エクイティストラテジストの瀬川剛氏は「このままドル安が続けば米国の輸
出にはポジティブだ。一方、ユーロ安メリットをドイツなど欧州諸国も受けている。三極
で通貨高デメリットを日本だけが被っており、市場では当局の対応を求める声も強くなっ
ている」と話す。
一方、トヨタ自動車<7203.T>やソニー<6758.T>など株価純資産倍率(PBR)が1倍を
割り込む銘柄にはバリュエーション面からの割安感に注目した買いも入り始めている。
後場に入って下げ幅を縮める場面では「国内実需筋の後場買い観測があり、それを見込
んだ短期筋の買いが入っている。前場の下値が堅く下値不安感が後退したほか、中国株の
堅調や円高一服も買い安心感につながっている」(大手証券トレーダー)との声が出てい
た。
このほか、三井海洋開発<6269.T>や日本海洋掘削<1606.T>など海洋資源開発関連株が軟
調。米メキシコ湾の原油流出事故で18日、事故があった油井付近の海底で油が漏れ出し
ていることが確認されたことがネガティブ材料となっている。原油流出を止めたふたの試
験とは関連がないとされているが、欧州連合(EU)の欧州委員会が域内の沖合での安全
対策を優先するため、海底油田の新規開発の停止(モラトリアム)を加盟国に要請する方
針だと一部で報道されるなど、海洋資源開発に先行き不透明感が強まっていることが嫌気
された。
東京製鉄<5423.T>は3日続落。20日、8月契約の鋼材店売り価格について、スクラッ
プの価格下落や市況軟化に対応し厚板と線材を除き、3000円値下げすると発表した。
市況下落などを背景に値下げは予想されており、大きな反応はみられなかったが、アク抜
け感も出ず、終日軟調な展開だった。
(ロイター日本語ニュース 伊賀 大記記者)