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東京外為市場・正午=ドル86円後半でしっかり、政府・日銀の円高対応に関心集まる

発行済 2009-11-30 12:48

        ドル/円   ユーロ/ドル  ユーロ/円

正午現在    86.68/73  1.5065/66  130.60/65

午前9時現在  86.63/66  1.4996/01  129.90/98

NY17時現在  86.42/44  1.4980/86  129.50/64

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 [東京 30日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時時点よ

り小幅高の86円後半で推移している。輸入企業の買いでしっかりの展開。政府が景気対

策に円高対応を追加する方針を固め、鳩山首相が白川日銀総裁と今週会談する見通しとな

ったことから、為替介入など政府・日銀の円高対応に市場の関心が集まっている。

 ドル/円は86円後半を中心に底堅い推移になった。週末に政府が円高対応を強める姿

勢を示したことから「朝方はドル買い地合いで始まった」(国内金融機関)という。しか

し、87円前半で上値を押さえ込まれたことから逆に上値の重さを確認、86.40円ま

で下落した。87.10円はドル/円の下落過程でのチャート・ポイントで、戻りを探る

うえでは「87.10円を早期にレンジの下値にできるかがポイント」(邦銀)との声が

出ている。また、売り焦り気味の輸出企業がこのところ売り意向を強めていることで、輸

出企業の売りを懸念する声も聞かれた。

 しかし、仲値にかけてはドル/円、クロス円とも輸入企業の買いが入ったことで円が全

般に軟調となり、ドル/円は86円後半でしっかりの推移となった。日経平均<.N225>な

どアジア株の上昇がクロス円を押し上げたことも、円売りとしてドル/円に波及した。

 <欧州銀行株が反発、ドバイ問題での円高は一服>

 ドル/円は前週末の急速な下落で85円を割り込み14年ぶり安値を更新したが、ドバ

イ問題に揺れた欧州市場で中東と関係が深いとされる欧州銀行株を中心に欧州株が反発に

転じ、リスク回避ムードが一巡。「ドバイの債務問題によるリスク回避の円買いは一服し、

短期筋のドル・ロングの投げも一巡した」(国内儀銀行)という。

 ステート・ストリート銀行金融市場部長、富田公彦氏は、前週末までの円高についてド

バイ問題のほか、11月初旬から海外勢がリバランスとみられる日本株買いを強めており、

これに伴う実需の円買いフローがあったと指摘。しかし「日本株のリバランスは一巡しつ

つあり、ドバイ問題もUAEなどが対応を始めていることから世界の金融システムを揺る

がすことはないとみている。円高はいったん一服した」(ステート・ストリート銀行、

富田氏)と判断している。

 

 <政府の具体的な円高対応見極めへ>

 急ピッチの円高に政府は緊張感を高めており、今週は鳩山首相と白川日銀総裁が円高な

ど経済情勢について会談する見通し。政府はまた、策定中の経済対策に円高対応を反映さ

せる方向で検討する方針で、市場の関心は政府の具体的な対応に移る。「政府は円高けん

制メッセージのトーンを強めており、海外ファンドも円を買い進みにくくなっている」

(国内金融機関)が、このムードを持続できるかどうかが注目されている。

 足元の円高が一服しており、ドル/円は介入警戒感が強まる85円の上にいることから

すぐには為替介入はないとみられているが、再び円高ピッチが速まれば「介入に向けて動

き出す」(国内金融機関)との声が出ている。「単独介入であっても、実施すれば効果は

ある」(外銀)との見方もある。一方で「介入は難しいだろう。このため、逆に介入を試

す形で円買いが進み、政府を追い込むだろう」(国内銀行)との声も聞かれた。

 景気対策については、どの程度有効な対策を打ち出せるかによって政府への信任を測り

たいとの声が多く、失望を誘うような内容なら政府の足元を見透かす形で再び為替が不安

定になる可能性もあるという。原資が限られていることから「有効な対策は打てない」

(国内銀行)との声も出ている。

 

 <日銀のデフレ対応に注目>

 日銀の白川総裁は30日「物価安定の下での持続的成長経路復帰のために適切な対応図

っていく」とする一方で、「デフレは需要が弱いことが要因にある」、「デフレ脱却・持

続的成長経路復帰のため最大限努力してきたが、今後もそれを堅持する」との考えを示し

た。

 「日銀はデフレに対応する姿勢を示した。量的緩和や、デフレ対応としての為替介入を

連想させるが、このコメントでは現在の政策を継続するのか、新たな対応に踏み込むかど

うか判断しにくい。為替市場ではストレートな反応は出ていない」(大手銀行)との声が

聞かれた。

 今週は鳩山首相が白川日銀総裁と会談、円高を含めて経済問題に対して意見交換する見

通し。市場では、政府がデフレ対応としての一段の金融緩和や国債買い入れ、企業金融対

策などを要請するとみる声が多い。平野官房長官は会談について「量的緩和するかどうか

を含めての意見交換と理解している」と語った。

 これについて、ステート・ストリート銀行の富田氏は「日銀はデフレの要因は需要の弱

さで、マネーの蛇口を大きくしても効果はないとの立場。金融政策にできることはないと

表明するとみており、政府・日銀の足並みが乱れそうだ」とみている。

 (ロイター日本語ニュース 松平陽子)

※( ロイターメッセージング:yoko.matsudaira.reuters.com@reuters.net 

E-mail:yoko.matsudaira@thomsonreuters.com; 03-6441-1795)

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